07年の学研を振り返って
迷走を続け、08年の移転へ、リストラ合理化=労働者への犠牲強要策で突き進む会社
 07年も残り少なくなりました。この1年間を振り返ると、学研の経営状況は、見せかけの黒字決算をくり返しても、もう誰の目にも深刻でごまかしの利かないものになってしまっていること、そして、その学研の現実を招いている問題体質に対して経営陣は改める姿勢が感じられず、逆に、前倒し適用については現場の不満の大きさから撤回した裁量労働制を結局は来春から導入しようとしているように、経営悪化の責任転化=労働者への犠牲強要をおし進めようとする姿勢が露わになっています。ふじせ争議の解決にも背を向け、「解決が望ましい」との周囲の声さえ聞こうとしていません。
 しかし、こんな無責任な経営姿勢の先にあるのは、学研及び関連労働者の心の経営からの離反であり、激化する犠牲強要策が最悪の道に進んで、それが学研経営自らの命取りへと奈落の底へころげ落ちるものでしかありません。(このニュースを発刊した日の午後、会社は100名の希望退職募集を東証で発表しました。次号で詳報)
ふじせ闘争は、こんなことを許さず、学研で働くすべての皆さんと共に闘っていくつもりです。今年も以下に学研・ふじせ闘争の07年10大ニュースをまとめて見ました
ふじせ闘争2007年の10大ニュース
29周年五反田地域デモ闘う!
2月2日、倒産・解雇29周年闘争として、ふじせ労組と支援共闘会議主催、南部地区労働者交流会・出版関連労組交流会議の集中闘争として、地域・全都の仲間66団体110名の結集で集会と五反田地域デモを行いました。 08年移転の前年から移転後を見据え、学研にふじせ争議解決を迫る闘いの飛躍へ向けた07年のスタートとして打ち抜かれ、出版・地域・争議団、全都からの結集を受け、ふじせ闘争を支える連帯共闘の力を示す闘いとなりました。
多様なイベント闘争を展開!
2・6「北九州市自分史文学賞授賞式」(ル・ポール麹町)、1・27、3・31「読売・学研子どもキャリア教育講座」(青山のホテル、TKP東京駅)で日銀の「金融広報中央委員会」が仕掛けている金融教育も糾弾し、情宣行動。さらに7・8東京国際ブックフェア、8・3「ホラーバス」(児童書)発売記念映画試写会への情宣、10・20大田区久原小学校、11・17目黒区下目黒小学校での課外授業参加の児童保護者への情宣を展開、特に久原小学校では、学研の妨害・警察導入をはねのけて展開しました。
学研経営の展望なき延命戦略を撃ち、社会的批判拡大
学研がかつて学校の校庭で「科学」「学習」を売っていた頃の夢よもう一度(71年の日本消費者連盟の告発で撤退を余儀なくされた)と、文部科学省に働きかけて始めた放課後の課外授業も抗議の声を浴びせられました。
 学研経営は自らの問題体質で地におとしめた学研ブランドの幻想をふりまいての「延命戦略」にしがみついていますが、学研の無責任な提携に対しても相手企業への情宣・申し入れ行動を
強化しつつあります。
学研社前でも役員一人ひとりを追及するなど争議状況現出
 2/21、3/26、5/10、5/28、7/4、7/25、11/14 と早朝出社の遠藤社長を迎え撃ち、安田・富樫専務、各役員に抗議・団交要求を浴びせる社前の闘いを展開しました。
4月20日の午後には南部交流会統一行動の一環として、06年を上回る60名の結集で、会社側の鉄柵検問体制と対峙し、社内へ向けた団交要求と集会を行いました。3/8にも同様の闘い。9/27、10/24、11/28には4・28、ジャパマー闘争の勝利カンパで作った新調の横断幕・幟・旗・ゼッケンで社前を埋め尽くし座り込み争議状況を現出してきています。
学研株主総会闘争 6・26株主総会闘争で、ふじせ争議の責任をはじめ、学研GICの悪徳商法が経済産業省からも業務停止処分を受けた件についての責任や経営姿勢、連結営業損益が2億円の赤字となり、慌てて期末ぎりぎりに学研第2ビルを売却し不動産売却益19億を特別利益に計上している学研の経営実態、昨年来の監査人選任方法の不備、犠牲強要の裁量労働導入失敗、コンピュータシステム=ガリレオ稼働延期等に現れている現場との乖離等の労使問題、五反田移転と争議解決等、多岐にわたって質問権を行使して、経営陣への追及を行いました。会社は、ふじせの発言中に、今年もマイクの電源を切る等の悪質な総会運営を行い顰蹙をかいました。
株主構成の変動と不安定化,焦る会社は「買収防衛」策へ
 
旧村上ファンドの関係者が立ち上げたシンガポールに拠点を置く投資ファンドのエフィッシモキャピタルマネージメントが8月初めに学研の発行済み株式の13・4%を取得し、古岡奨学会(13・2%)を抜き単独筆頭株主に浮上し、その後も買い増しして12月5日までに19・2%にまで達しました。
 焦る学研は、凸版印刷との株式持ち合い強化を行って買収防衛策を進めていることを発表しました(12/11)。
会社決算、見せかけの黒字策も破綻し中間発表で株価凋落
 3月決算での連結売上高は781億円で前年度比7・2%減、同営業損失は2億円、同経常損失は6億5千万円でした。期末ぎりぎりに固定資産売却益19億円を特別利益に計上して、赤字隠し。06年に発表の中期経営計画(2カ年計画)の目標の営業利益4億、純利益1億に遠く及ばず、もはやごまかしは利かない経営状況です。
9月中間決算では、雑誌の売上げ低下、参考書の返本増加、棚卸し資産の評価損等、で連結で74億5千万円の最終損失へと赤字が膨れ、株価も今日現在230円台に。
会社の執拗な犠牲強要策に学研関連労働者の不満・批判拡大

会社が9月1日から導入したフレックスタイム制のねらいが残業代の削減にあることは学研に働く皆さんと共有してきました。今回の制度は、会社が08年4月から実施しようとしている裁量労働制へのステップとして実施されていますが、裁量労働制導入の問題性も、政府・厚生労働省が推進しようとしてきたホワイトカラーイグゼンプションと合わせてこれまでも指摘してきたとおりです。雑誌編集部でくりかえされた無意味な組織変更も職場から批判を浴びています。なおも学研の深刻な行き詰まりの経営責任を労働者に転嫁するやり方はリストラ合理化へと激化しようとしています。
インデックスへ申し入れ。株流失で第2の大株主から後退
 私たちは、今年も2月、11月と2回にわたってインデックスへの申し入れを行いました。争議解決へ、同社の前向きな姿勢を確認してきています。
 学研と提携し、一時は第2位の大株主でもあったインデックスが貸し株とした学研の株が大量に流失している件を私たちが指摘した後、学研は、ようやくインデックスに確認を求めました。その結果保有していた4・72%にあたる五百万株が9月末にはゼロになっていることが分かりました。元に戻すとの表明ですが、蜜月は終わった感は
否めません。「嫌われたか」の声も。
学研GICに業務停止処分  遠藤社長の信用も体制も衰退 
  「学研の子会社に業務停止命令 虚偽の説明で学習塾に勧誘」との見出しが、3月3日の朝刊各紙を飾りました。 学研GICと販売代理店「学伸舎」が、虚偽の説明をして学習塾に勧誘し、教材を売りつけるなどしたのは特定商取引法違反(不実告知など)として、経済産業省は2日、6カ月間の業務停止命令を出しました。
 これまで株主総会でも、その事実を否定してきた悪徳商法が明るみに出て、学研そして遠藤社長の信用も失墜しました。業績回復の公約も実行できない遠藤体制は社内でも勢いを失っています。遠藤サン、どうする?5月12日、自宅へ争議解決要求。
秋季・年末闘争後半戦へ
11・14ー28争議解決迫り、団交要求行動!

 11月14日の学研社前闘争は、7時46分頃に出社してきた遠藤社長の乗った車への抗議のシュプレヒコールで始まりました。遠藤社長はシュプレヒコールを車の周りから、そして降りた背中へ浴びせられ、館内へ走るようにして逃げ込んでいきました。この後、学研で働く労働者へ「パルス」11月号を配布し、他の出社役員を迎える態勢へ。
8時半過ぎから、出社して
きた大谷監査役、本間監査役、富樫専務へ団交要求・抗議行動を浴びせました。この日は役員のこの時間の出社は多くありませんでしたが、富樫専務らは、いつもどおり、うつむいて押し黙ったまま、団交要求書の受け取りを拒み、社内に逃げ込んで行きました。この後、9時からは社前座り込みと当該・支援共メンバーのマイク情宣を展開しました。

11月28日は、午後1時からの社前はりつき・座り込み行動。沢山の旗・横断幕・幟を鉄柵に据え、そして鮮やかなゼッケンを皆で着けて、社前を埋め尽くす闘いは、車道からも注目を浴び、争議を抱えた学研の実態をアピールする効果は抜群でした。マイクで、中間決算等の経営状況、私たちの秋季攻勢の拡大等につき社内へ訴えました。
下目黒小学校でも情宣
学研が始めた小学校での課外授業に対し、11月17日は目黒区下目黒小学校で情宣を行いました。今回は、「作文教育」の授業。学研のスタッフ男女各1名が校門のところまで様子を見に来ましたが、前回の久原小学校の時のようなビラ配布妨害はありませんでした。かえって自ら混乱を引き起こす愚を知ったのかどうかは分かりません。それでも警察に通報するという悪質さは変わりません。しかし、正門近くで集まっていた少年野球チームの保護者のお母さんが、警察に「何かあったのですか」と問い質すくらいの平穏なビラまき行動にチャリンコで来た制服警官は何も言えず。労働争議に警察は介入させない私たちの姿勢も示し、15組程度という少ない親子連れの参加者でしたが、ほぼ全員にビラを配布、争議を抱えた学研の実状を知ってもらうことができました。
インデックスとの6度目の話し合い
 11月30日、インデックスとの話し合いが持たれました。この日は同社の株主総会の翌日で、今日、学研の取締役とも株流出の件で話し合いが持たれたこと、9月末現在で学研株の所有がゼロになっていることを冒頭に聞きました(私たちも新聞報道で知っていた)。インデックスとしては雑誌等に書かれていることは事実と違う点もある、と釈明していました。
組合からは、今年2月に話し合いをして以降の経過を話し、株主総会で学研が「インデックスはふじせ労組と会ったことも話したこともない、と言っている」などという虚偽の答弁を行ったことを伝えると、あきれ顔で苦笑いしてしました。
その他、GICへの経済産業省の行政処分、学研の中間決算に示される業績の実態、
等も資料を渡して説明すると共に、移転を控えたこの時期に経営は懸案の解決と今後の方向性を問われるが、争議を抱えている状況でないにもかかわらず、学研は頑迷で、経営展望も極めて厳しいこと、即ち遠藤社長は、「コンテンツホルダーではない」(8/7日経金融)と吐露。残業費削減や無意味な組織変更などで志気は低下していて、コンテンツを創り出す力も低下。学研ブランドの幻想振りまいて提携を多方面にもちかけているが、もうごまかしが利かない。「移転してやっていけるのか」を社内からも危ぶむ声が出ている。これまでも尽力いただいているが、働きかけを強めてほしいことを伝えました。
インデックスとしては、ステークホルダーが広範囲に存在し、企業経営者は気配りをしなければならないし、(解決がのぞましい、という)立場は変わらない。問題を解決する能力が求められている。これまでも、なんらかの形で学研には伝えてあるはず。これからも、これまでのことを引き継いで、伝わるようにしたい、とのことでした。
 貸し株の件については、正規の賃貸借契約。戻してもらい、2月までには元の状態に
する予定である、との表明がありました(私たちは、これも学研次第受け止めましたが)。