9・27学研社前闘争                    9・21工事現場が事故現場?(五反田)       
学研経営の迷走と現場へのしわ寄せ策に
労働者の不安と不満が増大!

フレックスタイム制導入の狙いは・・・
 会社は9月1日からフレックスタイム制を導入しました。これまでの9時から17時までの労働時間制度は廃止されました。「11時から15時をコアタイムとして、前後(8時〜11時、15時〜19時)のフレキシブルタイムの範囲内で出退勤時刻が自由、月の所定労働時間を満たしていれば、1日あたりの勤務時間は自由」として、人事部は「ワーク・ライフ・バランス」を図って、「働きやすい制度により、人材の意欲と能力を発揮するため」と言っています。
 しかし、その狙いは、ズバリ残業代の削減にあることは明白です。長時間労働は温存されたまま、時間外労働という概念が解体ないしは切り縮めされ、これまでのように残業代は払われない、削られる、というのがこの制度の本質です。労働基準法は財界の圧力で次々と改悪されてきましたが、「変形労働時間制」が導入された時にも、労働側の反発は大きなものがありました。繁忙期と暇な時が分かれる事業で、それに応じて労働時間を延長しても残業時間に該当しない、という制度は、経営者の都合に合わせた残業費抑制と効率的で労働密度を高める効果を狙ったものであることがあからさまでした。暇な時は休めるなどと言っても、一日8時間労働という生活のリズムが崩され、長時間労働で破壊された健康は容易に快復しない、という実態がその後はっきりと出現したのでした。経営側がいうフレキシビリティが、ほんとうに労働者の要求に応えるものか、それとも身体的にも、経済的にも生活破壊をもたらすものでしかないか、見極める必要があります。
会社は、また、裁量労働制を08年4月から実施しようとしています。今回の制度はそれへのステップとして実施されていますが、裁量労働制導入の問題性は、これまでも指摘してきたとおり、ただ働きの制度化です。政府・財界が推進してきている、労働時間法制の改悪、労働契約法制定策等は、「日本版ホワイトカラーイグゼンプション」等への批判として社会問題化しており、私たちは反対の闘いを展開してきています。学研経営のこうした流れに添った、新人事制度・新たな労働時間制度を許してはなりません。
 経営責任もまともに取れない学研の役員らが、こうした現場への犠牲強要策をくり返していることに不満と不安の声が上がっています。
第1四半期業績の悪化と度重なる組織変更
 8月3日に発表された07年第一四半期の業績は、連結営業赤字20億5千万円、同純損失20億9千万円、と前年同期(営業赤字13億円、純損失14億円)よりも悪化しています。「直販・市販とも不振、能力開発事業は宣伝経費がかさみ、クロスメディア事業は未だ採算ベースに乗らず、その他では、わずかにウエルネス事業の売り上げが好調」としています。
 売り上げの減少に歯止めがかからない雑誌部門では、相も変わらぬ無意味な組織再編が行われており、今回またしても、12部門を5部門にするという組織変更が発表されました。昨年10月に、12部門に細分化したのは「数字がはっきり分かるから」という理由でしたが、1年も経たずに、その総括もなく変更されている文字通りの「朝令暮改」です。7人の部門長は、クビ(降格)になって納得するはずもないでしょう。「社員を人間として扱っていない」という声が上がっているそうですが、まさに学研経営の無責任体制を現す出来事です。
五反田新本社ビル建設現場では死傷事故?
9月21日午後、西五反田2丁目一帯は、なり続けるサイレンの喧噪に包まれました。
学研本社ビル建設現場で事故が発生したらしく、消防車が7台、8台と次々にやってきて、パトカーを含む警察車両も4、5台が到着、道路も一部閉鎖、一時は野次馬の人だかりもできました。当日も翌日もニュース報道も無かったようですが、火災につながる寸前の事故だったのでしょうか?人だかりの中では、作業中の転落事故と話されており、死傷者が出たものと思われましたが、清水建設からも学研からも近隣への説明は後日に至っても全くなし。いずれにせよ、学研の船出を早くも暗示するような出来事でした。
投資ファンドが学研の筆頭株主に
 旧村上ファンドの関係者が立ち上げたシンガポールに拠点を置く投資ファンドのエフィッシモキャピタルマネージメントが8月初めに学研の発行済み株式の13・4%を取得し、古岡奨学会(13・2%)を抜き単独筆頭株主に浮上し、その後15%まで買い増ししたことは、学研関係者の皆さんには周知のこと。これにつき、8月7日付で、日経金融新聞が遠藤社長にインタビューを行っています。
 ――エフィッシモが単独筆頭株主になったがどう受け止めているか。
 「何だろな。何が目的なのか、どうしようとしているのか、よく分からない」
 ――アプローチは。
 「全くない」
 一部には、古岡一族による「身売り」説(MBO)も飛び交いました。記者への応答では、この後、遠藤社長は、相手の投資目的は「純投資」としており、20%を越えなければ買収防衛策は考えない旨、回答。なぜ買われたのかの質問には、「株価が一株純資産(367円)を割っていて割安感があるのでは」と答えています。しかし、エフィッシモは、その後、「状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」を保有目的覧に付け加えています。
 遠藤社長、「コンテンツホルダーではない」と学研の実態をポロリ
 この後、「優良なコンテンツを持ちながら、業績向上に結びつかないこともファンドに買われた一因では」との記者の質問が続く中、遠藤社長は、「うちが持つ過去のコンテンツは権利をクリアしていないものが多い」「コンテンツホルダーではなくて、作り出す力を持っている会社と思っている」と弁解している。このかん、学研は「当社の有する豊富なコンテンツ」を売りとしてきましたが、そうではないことを吐露しています。作り出す力、の方も現在のような労働者のモチベーションを低下させるような労務政策の下では、期待できないのが実状でしょう。
 従って、「記者の目」としてのまとめでは、「(ファンドに買われる)割安な株価を生む要因は業績の不振だ」として、ビル売却益で穴埋めしている決算数字を指摘し、「(策定中の中期経営計画も)市場との約束は守れなければ意味はない」と厳しい指摘で締めくくられています。
 来年6月の株主総会と本社移転にかけて、ファンドの動きを含め、学研の混沌に拍車がかかることは間違いないでしょう。「学研に争議はない」などと世間を欺いていられる状態なのか、私たちは許さないし、経営陣は真剣に考えなければなりません。
新作の旗・横断幕・のぼりで満艦飾の本社前
秋季第1波=9・27学研社前闘争
 9月27日、秋季第1波の学研社前行動を展開しました。午後12時半から社前に座り込み、マイク情宣。今年勝利した、全逓4・28連絡会、ジャパマーハイツ労働組合からそれぞれ贈呈していただいた真新しい真紅の旗、新調した横断幕、のぼりを社前に据え、結集した仲間と共にこれも新しいゼッケンを着けて、まさに争議状況を多くの人々、そして社前を通行する車にも強くアピールして約2時間の行動を打ち抜きました。                                     
07年夏の闘いをふり返って
 株主総会の質疑応答の詳細な報告を前号で掲載しましたが、それ以外の報告が遅くなってしまいました。以下に夏の闘いの報告をまとめて掲載します。
6・26学研株主総会闘争
 今年も会場の第3ビル内外で闘争を展開しました。
 場内では株主権を行使して4名が追及。ふじせ争議について、例年同様にまともな回答はなく、学研公式サイトに「東京ふじせ企画労組の問題とは」との記載がある理由についても、経営事項ではないから総会議題ではないと逃げ、そのくせ裁判勝訴の経過報告等を行い、「ふじせ労組の行為に対する法的責任も検討中。」と迫力もなく答弁。大株主インデックスとふじせの話し合いが行われていることには、「同社は会ったこともないと言っている」と虚偽のでたらめ答弁。ジャパマー争議の解決については、よその会社のことは知らない」と居直り。昨年同様に、当該の質問(昨年の総会運営、今春の株主名簿閲覧申請への差別的扱いも追及)中に、マイクの電源を切るという悪質で恥ずかしい行為を学研経営は行いました。GICの悪徳商法と業務停止処分問題、昨年来の監査人選任問題、五反田移転前に争議解決すべき状況、実質赤字の経営状況等につき追及しました(前号参照)。会場前でも20名の仲間が、抗議行動を展開しました。
7・4学研社前闘争
 7時40分に早朝出社して来た遠藤社長に、車の周囲から抗議の声を浴びせました。この後、出社してきた富樫・安田専務らの役員へも団交要求と抗議の追及行動を行いました。8時50分頃、遠藤社長が社内から出て来て、社長車に乗り、構外へ。抗議のシュプレヒを車の周辺から浴びせました。
7・8東京国際ブックフェア情宣
 教育社・山田書院・論創社の仲間と共に出版4争議団のビラをセットして配布。今回は日曜日の朝ということで、まだ出足が鈍く、昨年のように完配とはいかなかったが、それでも多数のビラを配布、学研については英文の抗議ビラも配布し、とても有効な情宣行動となりました。
7・25学研社前闘争
株主総会闘争の詳報(16頁版のビラ)を情宣すると共に、遠藤社長、安田、富樫専務ら、各役員へ迎え撃ち追及を展開しました。遠藤社長の車にお客さんが乗って、7時50分頃に出ていきました。遠藤社長が出社して、10分も経たない時刻。こんなに早く遠藤社長より先に来ていて彼の出社を待ち、会ってすぐに、帰る客とは?
 6月26日の株主総会で昨年以上に声帯に異常をきたし、終始苦しそうだった遠藤社長、病気であることは明らかですが、ふじせ争議の解決をはじめ、対処すべき課題は山積です。もう、自らの首を絞めるような言動を改めて、責任を果たして心身共に爽やかになって欲しいものです。
8・3日「ホラーバス」試写会情宣
学研が発刊した子どもの本「ホラーバス」(オランダの児童書作家パウル・ヴァン・ローンの作品)の発売を記念して開催した映画の試写会への情宣闘争をスペースFS汐留で打ち抜き、争議責任を居直る問題企業の実態を訴えました。昭和通りを通行する車や日本テレビ等に向かう通行人へもビラを配布できました。しかし、イベント参加者の少なさには驚かされました。参加者を追加募集していて、「好評につき」とあったのは、「応募が少ないので」というのがほんとの理由だったのですねえ。
共闘報告
9・6南部反弾圧集会開催  9・14全都反弾圧集会・デモ 145名で闘う
9・28南部集中闘争=品川臨職32周年・区庁舎前集会&大井町デモ、成功!
 9月28日、南部地区労働者交流会の集中闘争として取り組み、全都から92名の仲間が参加し、浜野区長に争議解決を迫る集会(30名以上の管理職がピケをはり監視)と大井町駅頭を通り、駅裏の浅間台公園までのデモを打ち抜いた。
10・5全争議団闘争勝利総決起集会、10・25争団連統一行動へ!
午後6時30分〜豊島区民センター   10・25論創社闘争勝利!社前集会
10・26労働契約法を廃案に!銀座デモへ 午後6:30 水谷橋公園
10・10共謀罪を完全廃案に!国会前行動 8:30〜13 共謀の日X11/20 11〜13