学研経営は株主総会で質問に真摯に回答し、
ふじせ争議解決をはじめ、
内外に責任ある姿勢を示しなさい!
私たちは、6月26日開催の第61回定時株主総会に向け、学研経営陣に対し、以下のような質問を事前に送付しました。毎年、まともな回答を拒み、無責任な総会運営をくり返していますが、それでは経営再建の可能性も社会的信用も生まれては来ません。GIC問題での「お詫び」がうわべだけの取り繕いにすぎないのかどうか正体が明らかになる今年の総会です。誠意ある回答をおこなうように求めるものです(太ゴチック部分が会社に送った質問。
株主総会での質疑応答などの詳報は次号で掲載)。
1、東京ふじせ企画労働組合との労働争議について
1)貴社ホームページにおいて、「株主・投資化の皆様へ」のページの中のよくある質問コーナーで、「東京ふじせ企画労働組合との問題とは」との記述がされているが、どのような意図でこのような記載を行っているのか?
「よくある質問」としてホームページにまで記載しなければならないのに、争議ではない、などとの言い逃れはもはや通用しません。東京都労働局に於いて争議として毎年のように紹介されています。東京ふじせとの問題は、経営事項と関係なく総会の議題には適合しない、とこれまで学研経営陣は述べてきました。株主・投資家にわざわざ説明しているのであるから、重要な経営事項なのでしょう。これまでのその謝った答弁を撤回する、と理解してよいはずです。
このホームページの記載では、東京ふじせ企画の倒産に伴って、ふじせ労組が学研に押し掛けて不当な要求をしているかのように述べていますが、何故、35名もの労働者が学研の委託業務を行っていた東京ふじせ企画が突然倒産したのか、についての説明が全くありません。学研の業務引き上げ=組合潰しだったこと、学研経営の悪質な意図が隠蔽されています。
2)この争議につき、直接同労組と話し合って解決策を考える、という経営者として当然のことが何故、決断できないのか。大株主のインデックスは同労組と会って話し合っており、「問題解決を望むと」と言っている。直接の当事者である学研が何故、話し合わないのか。解決を検討するべきではないのか。
話し合うと、学研の責任を認めざるを得なくなるから、一切接点を持たないということにしているようです。
3)本年3月、株式会社東映がジャパマーハイツ労組に対して、ジャパマーハイツの倒産に伴って奪われた雇用を保障して争議を解決したこと、法的に使用者性が認められていなくても、東映は倒産責任を取って争議を解決した、という実例をどのように考えるのか、明らかにされたい。
「使用者ではないから、話し合う必要はない」との言い方は通用しません。人事・資本の関係もない東映に対して、22年間の長期闘争の末にジャパマーハイツ労組は倒産攻撃の責任を取らせて争議を解決したのです。
2、経営状況と「財務諸表」に関連して
第61期の連結売上高は781億円で前年度比7・2%減、同営業損失は2億円、同経常失は6億5千万円だったが、固定資産売却益19億円を特別利益に計上して、7億6千万円の純利益としている。単体では、売上高676億円(前期比4・6%減)、営業利益1億2千万円、経常損失1億9千万円、純利益は同上の固定資産売却益計上により8億5千万円だった。
06年に発表された中期経営計画(2カ年計画)の目標の営業利益4億、純利益1億に遠く及ばず、期末ぎりぎりに売った第2ビル売却益19億も計画外であった。
売上についても、遠藤社長は昨年10月の部長会で、「61期の売上計画は、策定にあたって乖離が出ないことを重視した、現在の学研の実力の最下限を取った」と述べていたが、それをも下回った結果であった。課題に掲げていた直販部門の建て直しも営業損失が 増大し、実現が遠のいている。
遠藤社長以下、役員はこうした経営計画の破綻につき、どのように責任を取ろうとしているのか不明である。それを明らかにしていただきたい。
また、最重視しているクロスメディアコンテンツ事業への投資が実を結ぶ可能性についても具体的には全く見えておらず、致命的な結果にならないかが危ぶまれているが、次期以降の具体的な収益の見通しを根拠を提示して示されたい。
3、執行役員制と持ち株会社について
1)執行役員制度の導入の目的は何か?
2)遠藤社長は、持ち株会社構想を持っているようだが、その方向性をどう考えているのか?
・日本の執行役員制度の問題点として
社長になれば、権限は強大(役員の人事権・次期社長の指名等)、経営陣自身の評価・監視は、自分自身によるので、チェック機能が働かない取締役のほぼ全員が、代表取締役の部下という位置付けであり、執行役員の長としての代表取締役に苦言を呈することができない。
取締役と執行役員は、双方を点検するのでなく、 同じ方向を向いて行動することになる
などが指摘されています。
・現在の学研が、このような制度を導入した場合、社長独裁と取締役会の専横、社外の声の無視、悪質な企業買収、リストラ合理化による労働者切り捨てが行われることになる可能性が強いでしょう。
4、第4号議案の「監査人選任」に関連して
昨年の株主総会で、業務停止処分を受けた中央・青山監査法人との関係につき、
どうするのかを議案に付することなく、結局、中央青山監査法人が7月1日付けで監査人の資格が喪失していることを受け、一時監査人の選任につき6月28日に取 締役会を開催し検討している。結局、2ヶ月間の空白のまま、9月1日から中央青 山から名称変更したみすず監査法人を就任させたが、同監査法人が解体状況となって、このたび、新日本監査法人を新たな会計監査人として選任することを今年の総会議案に付している。、
我々が総会で指摘したとおり、昨年の総会議案に付さなかった対応方針の誤り、9月1日にみすず監査法人の就任を決定したこと、中央青山との関係に固執した判断の誤りにつき、どう考えているのか、答えられたい。
中森取締役が、昨年の総会で、「この議案を提案していない理由は、中央青山監査法人の業務停止が7月1日からであるからです。従って、今日の時点では中央青山監査法人が再任されているという状況になります。」と全く回答にならない答弁をした。処分が動き出す日付の方にひっかからなければ、問題ないという言い方だ。他の企業ではこの問題を総会議案に付したり、監査法人を変えたりしていた(7月に入り約300社)ところも多いのに、学研はなんと来年の総会に提案すると回答したのでした。
9月1日にみすず監査法人を総会に付議せずに選任したことは、一時会計監査人は監査役会の判断で行えるので、手続き上の瑕疵にはならないが、昨年総会で別の監査法人を選任することを決定しているか、少なくとも7月1日から別の監査法人を一時監査人に選任していれば、空白なく監査の継続が行えたはずです。中央青山監査法人との関係に固執した理由は何か?癒着があったということはないのか疑われます。
また、監査人への報酬を会社が出す(会社と監査人の癒着、粉飾決算が生まれやすい)等の日本の監査制度自体の問題点をどう考えているのでしょうか?学研には好都合な制度と考えているのでしょうか?
5、新人事制度導入やガリレオ稼働の延期と、社内の志気低下について、
会社は昨年12月から雑誌部門への導入を決めていた裁量労働について当面は断念を余儀なくされた。また、新業務システムのガリレオが不具合で4月稼働が延期になった。
問題のある新人事制度や業務システムの強引な導入が現場の労働者に歓迎されず、社内の志気、モチベーションの低下を招いていると考えられるが、経営陣はどう考えているのか?
また、本社の五反田移転に伴って、争議を初め、解決すべき問題が多く残されているのではないか?課題を示して、回答していただきたい。
朝日新聞は築地移転を前に明和争議を解決。中公も読売の買収を前に解決。
争議を抱えたままの「新生学研」など通常は到底考えられない話です。
6、コンプライアンスとコーポレート・ガヴァナンスに関連して
1)経済産業省から業務停止処分を受けた学研GICについて
貴社は「株式会社学研ジー・アイ・シーに関するお詫び」と題して、「平成19年3月2日、当社子会社の株式会社学研ジー・アイ・シーは経済産業省より「特定商取引に関する法律」に違反する行為があったとして6ヶ月間の販売活動等業務の一部を停止する命令を受けました。当社及び当社グループは今回の行政処分を真摯に受け止め、消費者の皆様に安心できる商品とサービスの提供が出来るよう努力し、信頼される企業を目指していく所存です。」とホームページで謝罪をしている。
これまで法令遵守を謳ってきたにもかかわらず、それが機能していなかった事態につき、どのように考えているのかを示されたい。
また、「お詫び」の対象は誰なのかが明確でなく、処分を受けるまで、問題を隠蔽してきた点について、どう考えているかも不明である。この点につき回答をされたい。
過去3年間で消費者センターに寄せられた苦情だけで200件以上ある。実際の被害者は、もっと膨大な数でしょう。
私たちの株主総会での質問(過去の内容を引用)に対しても、そのような事実はない(「何をもって悪徳というのか」、「ネットでの書き込みには厳正に対処する、調査した結果、そのような事実はなかった」、「解約の理由は、訪問販売法の改正」、「解約は、親の買い控えや躊躇」)と虚偽の回答を行ってきました。
上記の苦情についても、東京都や静岡県の指導に対して全く従わいませんでした。居直りと社会的にも2重の嘘を重ねてきたことの重大性を認めようとせず、受験塾の買収などを行っているのが今の学研です。
これまでの隠蔽姿勢を含めて謝罪し、被害者に賠償(返金と慰謝料)を行うべく、新聞やHPにその旨の掲載を行うべきだと考えます。
2)学研教室におけるオリコとの提携等、塾・教室事業の問題点について
「弊社とオリエントコーポレーションは、本年1月に弊社と伊藤忠商事株式会社との業務提携第一弾として発表した、会員が利用している月謝・教材などの決済機能付きの社会貢献型提携クレジットカード『学研ファミリーカード』ネット入会募集を2007年2月20日よりスタートいたしました。」と貴社は発表している。
学研教室などでは教室指導者は会員にカードを勧めなければならない。このことに伴って、指導者からも保護者からも苦情が起き、教室をやめる指導者や退会者が出ていると聞くが、この点につき回答されたい。また、学研教室の月謝とロイヤリティはいくらか?
このような問題を抱えている実態で教室経営を続け、GICの反省もなく、さらに受験塾の買収を行うなどしているが、GICのような不祥事や指導者の離反、学研の信用失墜をひき起こすだけではないのか?回答されたい。
教室指導者は会員にカードを勧めなければならない。世帯収入を書かせる。「学研を退会する際にはカードの解約手数料として約1300円支払え」等が記載されている。
なんで既に持っているカードで決済できないのか、理由がわからない、金を支払う側のお客が支払い方法を選択出来ないのはやっぱり企業としておかしい、等の声が上がったそうです。
カード非申込者も全てオリコカードの入会書になってるから否応無く自動的にオリコに個人情報売られてるんでしょう。それでクレジット承認の下りなかった会員はクレカ機能無しのカードになって指導者手数料負担が毎回120円??本当のバカげた話です、との声。
高いロイヤリティを取られる上に締め付けがひどい、経営の仕方が汚い・・・っていうか顧客や実際現場にいる先生の立場で経営していない、との批判も起きています。