学研、続けての業績予想下方修正の意味
 会社は3月26日、4月20日と続けて業績予想の下方修正を行いました。まず、3月26日には、従来予想が1億円の黒字だった連結経常損益を3億円の赤字に下方修正しました。連結営業損益も1億円の赤字と修正。「老人介護事業の赤字拡大などが響いた」「ネット事業も不振」としています。
 4月20日の2度目の下方修正では、さらに上記予想を訂正し、連結経常赤字は5億5千万円、同営業赤字は1億7千万円との業績予想を発表しています。営業損益は当初予想に比べ、6億円弱下がったことになります。連結売上高は前期比7%減の783億円。
 私たちがこのかん指摘してきた3月決算に帳尻を合わせた形だけの売り上げと翌期での返本増という自転車操業の「実質赤字隠し」のやり方が通用しなくなっていることがいよいよ顕著な状態です。「幼稚園・保育園向けの新学期用商品の売れ行きが鈍かった」というのも、このことを示しています。
期末ぎりぎりの第2ビル売却益で赤字隠し?
 ごまかしがきかなくなった学研の業績ですが、すると会社は今度は、3月28日付で学研第2ビルをホンダに22億5千万円で売却、その特別利益19億6千万円を、この3月決算に計上して、当期純利益を5億8千万円(予想)と発表したのでした。本社ビルも同日付で鹿島に売却しましたが、こちらの引き渡しは08年10月末としており、計上も先のことのようです。2ビルで働く人々は移転まで1年余を残して、どうなるのか、やはり学研は借地で店子として事業を続けるのでしょうか?その費用もかなりのものになると思いますが、「赤字決算で株価が低落することを恐れる」という目先のことしか考えられなくなっているのでしょう。
業績低迷、ガリレオ稼働失敗等で役員退任を発表、
  執行役員制導入の中身も混迷が浮き彫りに!

 会社は、4月9日、経済産業省から3月に業務停止処分を受けた学研GICの解散を発表、同16日には、小林、太田、中山、岡本の各取締役の退任と須磨春樹氏の取締役就任を発表しました。小林取締役は、新業務システムのガリレオが不具合で4月稼働が延期になった失態の責任を負わされたもの、他は市販部門等の業績低迷の責任と言われているようです。
 ガリレオは、さんざん社員に研修を強いて、「この忙しい時期に何を考えているのか」「残業時間が増えるじゃないか」等の現場からの不満が増大していましたが、成果級や裁量労働制導入をもくろんでの新人事制度も07年始動ができなくなったのに続き、ガリレオ稼働延期は、労働者への犠牲強要策にばかり腐心する無責任経営陣と学研労働者の溝は深まるばかりであることを示しています。今春闘でも、特に、一番仕事量が多く、しかもベアゼロの影響をまともに受けている30代の不満は大きくなっています。
会社は新人事発表と合わせて、執行役員制度の導入を発表しています。しかし「62期スタートに当たって」という遠藤社長の部長会での発表内容は、かなり泥縄的であり、適材適所というような内実さえ伴っているのか怪しいものです。社長曰く「ご覧のとおり、本部長・副本部長とも、取締役、執行役員が明確に位置づけされてはいない。副本部長が空位のところも多くある。本部長以下、すべてが執行役員によって構成されるようになれば、形の上で、あるいは経営と執行の分離が実現されたと言えるかも知れない。しかし、現在の学研にとって、それが現実的かどうか、実効性があるかどうか、これからの課題だとご理解いただきたい。未整備な点もあるが、発令する」。経営の混迷と現場の混乱はさらに続くということのようです。
持ち株会社構想に要注意!
 遠藤社長の頭に先にあるのは、執行役員制について、「持ち株会社の可能性と併せて論ずべきテーマ」としているように、学研の持ち株会社化と分社化ということでしょう。金融筋からの働きかけやインデックスホールディングス等を参考にして、無責任経営の生き残り策を考えているものと思われます。うまみのある部門と資産を残して、大合理化=大量リストラの可能性も出てきている学研の危機的な状態を示しています。
労働者への犠牲のしわ寄せを許さない姿勢が学研に働く人々に求められています。
3・26学研社前闘争
 3月26日、学研本社闘争を行い、社長・役員への団交要求を行いました。7時50分を回った頃、遠藤社長の乗った車が社屋裏手を回って第2ビル方向から走って来て、団交申入書を差し出す私たちの前で殆ど速度を落とすこともなく、構内へ走り込んで行きました。車の周りから抗議の声を浴びせ、車から降りて玄関ロビーに入って行った遠藤社長へエレベーターに乗るまでの間、シュプレヒコールを浴びせました。
 この後、出社してきた安田、富樫専務、小林、太田、岡本、中山、木村の各取締役、本間監査役らへ団交申し入れを行い、申入書の俯いて無言で社内へ逃げ込む背中へ抗議の声を浴びせました。
 朝ビラ配布も終わり、9時過ぎからは社前座り込みに移り、10時前まで争議解決に背を向ける学研経営に抗議の意思を力強く示しました。
 田園調布署の私服公安が途中から来て、写真撮影をするなど許されない労働争議への介入を行ってきましたが、私たちはこれに直ちに帰るようにと抗議して、介入をはねのけ行動を打ち抜きました。最後に、前日、中央大学生協の争議に対してかけられた刑事弾圧への抗議などのシュプレヒコールを上げて行動を終了しました。
3・31読売・学研子どもキャリア教育講座
                    へ情宣行動!

 
3月31日、呉服橋のTKP東京駅小ホールで行われたイベント「読売・学研子どもキャリア教育講座」への情宣行動を行いました。このイベントへの情宣も回を重ねていますが、この日はビラ配布を始めて間もなく、私たちの眼前まで出て来て行動を写真撮影するという悪質な妨害がありました。このイベントの企画に当たっている「NPOファンエデュケーションネットワーク」の社員たちでした。抗議するといったんやめましたが、しばらくするとまた出てきて、撮影。重ねて抗議・追及を行いました。同団体は、学研教育総研の秋谷俊之氏が理事を務めており、所在地になっている住所は「プレスチップス」というウェブコンテンツ制作会社に置かれており、これも元学研社員が起こした会社です。 イベント参加親子は20組程度でしたが、ほぼ全員の保護者にビラを配布、争議を引き起こして居直る学研経営の実態を知らせることができました。
 日銀の金融広報委員会が仕掛け人になっている最近の「金融教育」の在り方に対する批判もまじえた抗議行動をふじせ労組・支援共闘会議で展開した行動は今回も成功を収めることができました。  
4・20学研社前闘争=南部統一行動を
               60名の結集で闘う!


 
4月20日、地域の労組・争議団の共闘組織=南部地区労働者交流会は、品川区役所臨時職員佐久間さん解雇撤回闘争(品川区庁舎前)、ス労自主8名解雇撤回闘争(エッソ品川本社前)とふじせ闘争(学研本社前)の3現場を貫く南部統一行動を闘い抜きました。
 3番目の現場である学研社前では、午後1時45分から南部地域の仲間をはじめ、全都の争議団・地域合同労組など、60名が結集しました。最初に団交申し入れ行動を行いましたが、会社は正面鉄柵を閉ざし、長原口、郵便センター口も含めて出入りをストップさせてしまいました。閉鎖をやめ、代表を受付に通せと抗議の声を上げました。やがて、会社は長原口を開け、私たちだけ排除して来客等を出入りさせる対応へ。各出入口から抗議の声を上げて、団交要求を行いました。
 午後2時半から社前集会を開催、当該から闘争の現状報告が行われ、業績の下方修正や来年の移転を待つことなく2ビル売却代金を06年度決算で特別利益に計上して、やっと黒字にしている等の学研経営の苦しい状況に触れ、学研は争議解決の決断を迫られていることが指摘されました。
 連帯挨拶を、弾圧粉砕と争議勝利の報告をしてくれた争団連、中大生協弾圧の報告を兼ねて連帯大道測量、中部労組論創社の仲間、都労委勝利命令をかち取った全関労東急分会、障害者の移動介護支援費削減をめぐって昨年11月の東京地裁の実質勝利判決を引き出し、大田区の責任を追及している鈴木敬治さんと共に移動の自由を取り戻す会から受け、最後に南部交流会からのまとめの発言を全逓4・28連絡会の仲間が27年10ヶ月ぶりの原職復帰の様子などの勝利の報告と合わせて行いました。
 3現場を貫いた統一行動は大いに盛り上がり、最後に闘争全体の成功を確認して、シュプレヒコールを社屋にたたきつけて、行動を終了しました。
 労働運動弾圧を専門にしている警視庁公安2課の私服も2名が田園調布署1名の他に来て離れて集会を監視していましたが、弾圧を粉砕し、4・28、ジャパマーハイツ闘争と争議連続勝利をかち取って志気上がる私たちの闘
いを体現するこの日の展開に、肩を落として引き上げて行きました。

共闘報告
4・28反処分闘争勝利報告集会・パーティを開催
 4月29日、品川プリンスホテルで「全逓4・28連絡会」の主催する4・28反処分闘争勝利の報告集会と祝賀パーティが開催されました。
 報告集会には、175名の仲間が参加、全逓本部の闘争切り捨てに抗して27年10ヶ月の闘いを共に最後まで闘い抜いた、郵政職場の仲間、南部交流会、争団連、全都・全国の仲間たちから連帯挨拶を受け、職場復帰した当該から復職後の職場の様子をまじえて報告とお礼の挨拶が行われました。最後に皆で記念写真を撮影。
続いて同ホテル15階から12階の宴会場に会場を移して祝賀パーティ。200名を越える仲間が参加。乾杯をし、豪華な食事とお酒、アトラクション、沢山の方からスピーチを受け、喜びが会場に溢れる集いとなりました。連絡会の二人の当該に加え、赤羽局で闘ってきた2名も登壇、花束が贈呈されて会場の熱気はピークに。
この後も2次会、3次会・・・と歓喜の宴は続きました。
3・30南部春季集会、4・20統一行動の成功をかち取る!
 3月30日、南部地区労働者交流会の春季集会を大崎第一区民集会所で開催。この1年間の南部交流会の活動を振り返って、新年度の闘いの方向を共に確認しました。基調報告の他、4・28連絡会、ジャパマーハイツ労組からの勝利報告、4・20統一行動が入っている3団体及び南部労組テック工業の仲間の決意表明、教育と人権を考える品川の会、渋谷のじれん、鈴木さんと共に移動の自由を取り戻す会、国労大井工場、全学研労組、ブリタニカ、アール支える会の各地域の仲間の発言、全都から争団連、西部共闘、北部共闘、共謀罪、労働契約法反対の戦線の仲間から連帯挨拶を頂きました。
 3・30春季集会の成功を受けて、4・20南部統一行動を打ち抜きました。品川区役所前では、浜野新区長は追及を避けて早朝に入庁しましたが、団交要求と集会を行い
品川臨職闘争に勝利するぞの声を上げました。続いて品川駅港南口のエッソ本社前近くの街頭で情宣行動、並行して、代表団が本社受付まで上がり申し入れ行動、Wビル前へ移動して07春闘勝利・8名の解雇撤回をめざす集会を打ち抜きました。3現場を貫き、昨年を上回るのべ165名が参加し、統一行動は成功しました。
南部労組 アール闘争を支える会結成
 4月13日、南部労組で解雇・休業補償打ち切りと闘っているアールプロジェクト闘争を支える会が結成されました。支援・共闘態勢を強化し、現場ー都労委を貫く闘いへ!
中大生協闘争弾圧を粉砕!14名全員を奪還!
 さる3月25日、中央大学生協でパート労働者への不当解雇と闘っている三多摩合同労組中央大学生協の行動に警察官40名以上が介入、卒業式参加の親子へキャンパス内でビラを配布していた14名の当該・支援労働者に「建造物侵入」を適用して「現行犯
逮捕」が行われました。大学当局が生協理事会と一体になって仕掛けた弾圧は共闘する全都の労働者の怒りに火を注ぎ、多摩地区各14警察署に分散留置された仲間への弁護士接見、差し入れ、3・29八王子署抗議、4・3拘留理由開示公判、4・8各署一斉激励行動、等を展開。獄内の仲間も闘争からの離脱を強要する等の不当な取り調べをはね返して、完全黙秘を貫きました。こうした内外の闘いで、4月13日、起訴をさせることなく全員の釈放をかち取りました。
4・16出労交春季集会を開催
 出版関連労組交流会議の春季集会が、4月16日飯田橋の東京しごとセンターで開催されました。盛り沢山の職場・争議団報告、連帯挨拶を受け、充実した集会でした。