退場宣告をはね返し学研経営の責任追及
6・29株主総会質疑を一挙公開!
質疑打ちきり、回答拒否、ごまかし答弁の経営陣を許さない!


 会場内の追及と呼応して、小雨の中、会場前でも学研経営に抗議

 6月29日、学研の第59回株主総会が開催され、私たちは会場内で質問権を行使し学研の経営陣を追及しました。会場外でも抗議・情宣行動が展開されました。本紙では総会の内容を一挙掲載します。ごく一部省略部分もあります。敬称は略、色ゴチックはコメントです。
 定刻の10時に始まった総会は、型どおり議決権を有する総株主数、監査役会からの報告が行われたあと、営業報告書の読み上げ(今年から録音されたものが場内で流され、同文がプロジェクターに映し出されました)があり、その後、遠藤社長=議長から議案の簡単な説明が各号議案にそって行なわれました。 
 その後、議長は、株主提案をしたA氏の出席を確認し、7号議案、8号議案について「株主よりご説明をいただきたい」といきなり指名しました。以下、議事内容。
 株主A  読むのではなく、説明するのですか
 遠藤   読み上げていただいても結構です    
 株主A  (読み上げて、付け加え)。(東京ふじせ労組の)国分氏は、学習研究社のことを実によく見てい
       る、自分も学研製品を扱ってみて、ここに申したようなことが実際にあるので、あってはならない
       ことをしているもんですから、そういった所から根本のところを監査することが学習研究社の発
       展、利益を確保するものとの信念から提案するものです。以上です。
 遠藤   どうもありがとうございました。
 株主(国分) はい(と手を挙げる)
 遠藤   ご質問は後ほど受けます。
     とにかく会社ペースで議事進行をするつもりでそれ以外の動きは排除の姿勢がありありで
    す。株主A氏の提案で社外監査役候補に据えられた東京ふじせ企画労組の代表が、この株
    主提案について、基本的な受け止め方を示す必要があると考え挙手したのですが、遠藤社長
    は株主提案に内心で焦り、その扱いについては逆に尊重することなく片づけてしまえ、という
    態度が露骨した。

 
株主A  8号議案ですが、(と「提案書」を読み上げて)、こちらの方は7号提案したように人数の方を確保
       したいということで予備的に提案したものです。
 遠藤   7号議案、8号議案とも当社取締役会としてはお手元にありますようにいずれも反対しておりま
       す。以上決議事項の議案の内容をご説明申し上げました。
    
 続いて、書面による質問に答えるとして加藤常務取締役が回答書読み上げを行いました。
 直販部門の低迷について、家庭訪問の販売組織数の減少に歯止めがかからなかったことを理由としました。五反田への移転について、事業所の分散による非効率を解消することが目的、減損会計適用との関連はない、との答え。なお総工費として7〜80億円を見込んでいる。コミットメントライン契約について、取引銀行4行との間に総額50億円、平成18年3月1日から平成20年11月28日までのコミットメントラ イン契約を締結しています。それ以上の詳細については取引銀行との契約内容に関わるとして明らかにせず。次に子会社に対する特別損失について、貸し倒れ引当金特別 繰り入れ損4億3千8百万円は学研GICに対するもの。学研スクールマネジメント の損失に対する責任については法の改正という予測しがたい外的要因が市場環境の変化等により生じたものであり、個々の役員に責任が生じるものではないとの答え。学研GICの販売方法について、子会社の事業内容については本総会の目的事項ではない、としつつも、何をもって悪徳商法とか押しつけ販売とか言われるのか分かりかねる、と開き直りました。売り掛け金の増加について、2月3月の売上が前期より増加していることによるものとの答え。長期貸し付け金の主なものは学研スクールマネジメントに対して55億6千9百万円、学研GICに対して19億7千9百万円など、 貸し倒れ引当金の主なものは、学研スクールマネジメントに対し54億5千9百万円、学研GICに対するものが23億4千5百万円などと回答。売却固定資産について、仲池上別館および仲池上第2別館を売却したもの。新たな売上と利益の創出と従業員の長時間労働対策の両立について、新たな売上と利益を創出することが必ずしも長時間労働に結びつくものではない、と答えました。

 返本の実態について、東販から出版点数の制限を課せられたという事実はありません、と答えました。
     (これは明らかに嘘でしょう)
 2件の著作権侵害をめぐる係争事件について、電子教材をめぐる事件では本年3月に和解により終了したが和解内容については、守秘義務があるので、と答えませんで した。もう一つの絵本の著作権をめぐる松谷みよ子氏らとの訴訟につきましては、学研に著作権侵害はなく勝訴するものと考えている、訴訟手続きが進行中との答え。
  最後に東京ふじせ企画労働組合について、「当社とこの団体との間には労働争議などありませんので団体交渉に応じる必要などは一切無く、今後ともそのつもりは全くありません」と去年とここまでは同じ回答。「なお、ご質問の中で1985年10月の東京地裁判決に言及しておりますが、この損害賠償請求事件は東京ふじせ企画労働組合員に対する当社の使用者性が争点になった事件ではなく、最終的にも当社の勝訴 が確定しておりますのでこの裁判を引き合いに出すのは意味がございません。」と述べました。
    意味がないどころか、この裁判は、何故東京ふじせ企画が倒産して、私たちの雇用が奪われ
    たかを究明する重要な意味を持っていたのです。もちろん、この裁判は使用者性を争点として
    いませんでした。東京ふじせ企画の破産管財人が学研と工藤ふじせ企画社長を相手に起こし
    た裁判ですから、経営間の争いです。そのために、業務委託契約の解除は、下請け(孫請け)
    の側の経営者も不本意であれ合意した上でのことだから、賠償責任は生じないとして学研と
    工藤が勝ったのです。しかし 、裁判官は、この倒産劇が学研が組合潰しのために仕掛けた
    もので、学研経営は東京ふじせ労働者に対し使用者責任がある、と明確に認定し、もし組合
    が損賠請求を起こしていたら勝訴していただろうとまで言及したのです。私たちの闘いは金銭
    目的ではないのでそのような提訴はせず、労働委員会での係争に入っていました(後の質疑
    応答参照)。

 さらに加藤常務は、「使用者性が直接の争点になった事件の控訴審判決においても、東京高裁は、東京ふじせの実質的経営者であった工藤は、東京ふじせのような編集プロダクションを維持していくためには労働組合は存在してはならない、との自らの経営信念に基づき、労働組合の存在を受け容れられないとの態度を貫き、労働組合が解散しないなら東京ふじせを潰すのもやむなしとの判断から、当社から受託していた業務を返上したとの正しい認定を付け加えた」とわざわざ述べ、「(ふじせの)質問において指摘されている内容は全くの曲解に基づくもの、何もご存じない株主様に真実を 知っていただくために一言申し述べさせていただきました」などという文章を読み上げました。
     「何もご存じない株主様に真実を」どころか、虚偽の主張でだまそうとする学研のやり方は
    許し難いものがあります。当時学研の黒川巌学習科学編集局次長が、ショック療法で組合を
    潰そうと工藤に持ちかけ、学研ーふじせ(トンネル会社で、社長の工藤は東京ふじせを支配)
    ー東京ふじせの3重構造を利用し、東京ふじせを潰し、ふじせで学研の業務を再開する等の
    計画を立てて、表向き「返上」という体裁を学研が工藤に取らせたことは、一部、都労委でも
    認定されています。その一部を高裁判決が曲げて悪用したからと言って、学研の業務引き上
    げの主導性まで、裁判で覆されているわけではないことは明白です。(質疑応答参照)

     加藤常務のいい加減な答弁が終わると、遠藤社長はこれもシナリオを決めていた様子で以
    下のように切り出しました。以下、議事録にもどります。

 遠藤   それではこの後の進行方法についてお諮りしたいと存じます。先に報告しました報告事項ならび
       に決議事項に関しまして、皆様からのご質問、ご意見、討議を含めた一切のご発言をお受けし、
       その終了後は決議事項につき採決のみをさせていただきたいとぞんじます。いかがでしょうか?
 社員株主 異議なし。拍手。
 株主B  すみません、その進め方について意見があります。
 遠藤   先ほど、大多数の賛成できまりました。お座りください。
 株主A  議長、異議が出た以上、説明をさせてください。
 (御用株主 「なんで異議なんだ」とヤジ)
     この株主(70歳を越えた老人)は最初から最後まで学研の経営陣を防衛するための発言、
    ヤジをくり返しました。会社側が動員した翼賛株主と思われます。以下、御用株主と表記。

 
議長   進め方について、ご賛成いただいたものと考えています
 株主B  わからないじゃないですか。

 御用株主 じゃ、みんなで手をあげさせようか?
 株主B  進め方について意見を言いたいので、それを聞いた上で、皆さんに諮るべきでしょう?どうして、
       それができないんですか?議長の提案と、それに対し私がこうした方がいいのではないかとい
       う提案を出し、それを全体にはかるというわけにはいかないんですか?
 遠藤   お座りください。先ほど、大多数の賛成をいただいたので、このまま進めさせていただきます。
 株主B  そうすると議案に関して、先にすべて意見を言うということですね。答えて・・
 御用株主 議事進行
 遠藤   議事進行の妨げになりますので、(と答えず、意見も言わせない)
 株主B  そういう専断的な議事進行をやるのなら、遠藤社長が議長を辞退すべきです。もっと公正な議
       事を進められる方に議長をやっていただいた方がよいんじゃないでしょうか。
 遠藤   妨げになりますのでお座りください。
 株主B  進め方について意見を言いたいといっているのに、それを認めないそちらの方が議事進行の妨
       げでしょう。(遠藤、発言の最中にもしきりに、「お座りください」と発言を妨害)
 遠藤   ご発言は氏名、番号を述べてご自分の席で会議の目的に添う形でお願いします。
 株主B   あたりまえですよ。おかしいじゃないですか?
 遠藤   なお、なるべく多くの方からご発言いただきたいので、ご質問は一人、3問ほどとさせていただき
       ます。7号議案、8号議案についてのご質問には提案された株主さまよりご回答いただきたいと
       考えます。
 御用株主 7号議案について、私も石油会社で営業をやってたんですけど、各特約店ごとに卸値が違うの
        は会社の裁量であって、特約店がものを言うのはおかしいんじゃないかということで、第7号議
        案については会社側の裁量だ、ということ。それともう一点、全国で5百校ですか、公立の中等
        学校ができるということになると、小学6年生の受験戦争が活発になって御社の売上が伸びて
        いくんじゃないか、あともう一点、いま日本化学学会などでは各大学に依頼して、夏休みの科
        学実験をやっているんです。中学・高校にはやっているけど小学校にはやってない、ということ
        で御社の科学実験教室を車を使って、科学実験っていうのは危険物が多いので、私も家庭で
        30年前やったときには自分の危険物取り扱い者の免許もってしたことを思い出します。そうい
        った面で、小学校への科学実験教室を危険物取り扱い法規をクリアしてやっていただきたいと
        思うのです。
 遠藤   ご意見としてうかがうということでよろしゅうございますか?
 御用株主 はい。
 株主B  第7号議案に関連して、東京ふじせ企画労働組合のことに書面での回答もあったと思うんです
       が、この点について改めて質問したいと思います。この点についての質問の中で3点ほどあるの
       ですが、先ほど7号議案の中でも質疑・応答を行い、初めて株主提案がされていることにつき、
       議論を深めることができるんだ、ということで考えていますが、そのような進行のされ方も無し、
       ということだったので、この場で言わせてもらいたいと思います。まず、東京ふじせ企画労組との
       間に厳然と存在している争議について、経営陣がそういう認識を示さない、先ほどの言い方では
       争議は存在していな いということでした。最高裁決定に至る行政訴訟の内容について初めて説
       明がされたんですけど、この争訴が終了したことをもって、争議は存在していないとおっしゃいま
       したけど、現に労働争議というのは裁判で争われていることが全てではないわけです。
 遠藤  意見ですか?
 株主B 意見と質問です。意見があるから質問が出てくるわけでしょ。
 遠藤  会社としての認識は先ほど書面でご回答申し上げたとおりです。
 株主B それが誤りではないんですか、と聞いてるんですよ。東京ふじせ企画に行わせていた、科学学習
      マイコーチ等の基幹商品の編集業務を総引き上げして、私たちがいた会社を倒産させた責任に
      ついて学研としてどう考えているのか。
 遠藤  それについては、先ほどお答えしました。
 株主B  東京ふじせ企画を倒産させたことについては、先ほどの加藤さんの回答では行政訴訟の内容に
      触れて、ふじせ企画の社長が学研に業務を返上したからだと・・・
 遠藤  裁判所がそう認定していると言うことでございまして、・・・そういう認識を我々はしている、というこ
      とです。
 株主B  そういう認識をしている、ということでしょ。ですから、そんなことはないでしょう、と言っているんで
       すよ。これは・・・
 遠藤   それは株主さんのお考えでしょうから・・(と発言を妨害)
 株主B 損害賠償訴訟でも、これは経営間の争いですけど、学研が組合を潰すために業務を引き上げた
      んだ、ということは認定されてますよね。それから、行政訴訟の判決において・・・
 遠藤  先ほど、書面で言ってます(と発言妨害)
 株主B こういうふうな認定がされている、と言っている点も・・・
 遠藤  書面で(と発言妨害)
 株主B 労働委員会命令で、既に、学研側からショック療法で組合を解散させることを示唆し、工藤ふじせ
      企画社長が、分かりましたと「業務返上」に応じたとして認定されていて、学研が主導して業務引
      き上げを行ったことは、その後の審理でもどこでも覆されていないんですよ。(このかんも遠藤は
      しきりに声を上げ、質問を妨害、他の株主からも「黙って聞きなさいよ」と遠藤に抗議の声)
       学研が東京ふじせを倒産させたことについて、否定する認定はなく、この事実についての学研
      の責任をどう考えているのか、と聞いているのですよ。
御用株主 一特約店との契約のことでもめる、って言うのは考えられない。(と指名されずに勝手に発言)
 株主B 単に一特約店の問題じゃないんですよ。これは
御用株主  一特約店でしょう。
 株主B 違うんです。これは労使紛争なんです。学研の中で全学研労組を潰すために、学研がふじせ企
      画を導入し、その組合対策の会社に組合が結成されたことにって、学研が一挙に業務を引き上
      げたんですよ。
 遠藤  あの議長の指示に従ってください。
 株主B ですから、東京ふじせを倒産させたことの責任について、学研は(労働者に)どう答えるのか、を
      先ほどから聞いているわけです。
 遠藤   もうお座りください。
 株主B 東京ふじせを倒産させておきた争議に関して、東京ふじせ企画労働組合が株主総会で活動して
       いることについて、他の一般株主の方が評価をして、こういう提案までされているわけでしょう、
      どう受け止めるのか・・・
 遠藤    お座りください。
 株主B  そのことを、どう受け止めているのか、これが2点目の質問なのです。
 遠藤   何がですか?
 株主B  株主提案が、今回されていることについて、どう受け止めているのかです。
 遠藤   先ほど、説明しました。反対、ということです。
 株主B  「反対」じゃ、分からないんです。一般株主が、ふじせ争議に限らず、もはや学研は公正な社
       外監査役を置いて外から経営を監視する必要が生じるに至っている、と指摘していることにど
       う回答するのかについて、遠藤社長はとぼけてごまかそうとしています。
御用株主  議事進行
 株主B  いまの中の3点目です。争議を解決する意思はないんですか?大株主のインデックスも話し
       合って解決してほしいということも言ってますよね。
 遠藤   そのような事実はないと認識しています。
 株主B  争議であるかどうか言い方は学研をおもんばかって、別としてとしつつ、解決されることが望ま
       しい、という表明をしています。去年も聞いているんですが、遠藤社長は答えていないんです
       よ。聞いてないと言って、もし、そうならどうするんですか?
 遠藤   座ってください。指示に従ってください。
 株主B  株主提案もされている、ということは、争議にどう向き合うかが問われているということでしょう。
       答えてください。
社員株主ら 議事進行  
 遠藤   指示に従っていただけない場合はご退席いただきます。
 株主B  じゃ、争議に関する質問以外は、また後で行います。(と座ろうとすると)
 遠藤   退場してください。(他の社員株主も示し合わせていたように「退場」のコール)。警備に動員さ
       れた社員が株主Bのまわりに集まってきて退場を促す。
 株主B  何が退場なんですか。(「横暴なこというんじゃない」との他の株主の声)。質問は後にします、
       と言ってるじゃないですか。
 遠藤   議事進行に支障をきたします。
     株主提案の内容(ふじせ争議を越えて、社外監査役の必要性指摘)につき、後に意見表明さ
     せないように退場をさせたかったようです。

 株主C  連結決算で第4四半期を見ると、305億円の売上があるんですよ、連結ベースで。ということ
       は月に100億円強ですよね。他の時期は、こんなにない。単独ベースで、今年の1〜3月の売
       上はどうなってるんですか?
 小林   ただいま月別のは手元に用意してございませんので・・・
 株主C  第4四半期では?
 小林   第4四半期の数字は手元に用意してございませんので。(「それで答えないの?」との他の株
       主の声)
 遠藤   次のご質問をどうぞ。お名前を
 株主A  法令では義務づけていないと思いますので、差し控えさせていただきます。(遠藤、番号・氏名
       を要求)。先ほど言いましたが。議決権行使書のことなんですが、この左のところに賛否の意思
       表示がされていない場合は、株主提案には否、会社提案には賛の意思表示があったものとし
       て取り扱います、株式会社学習研究社ってあるんですけども、自分が出している株主提案が通
       る通らないは別にして、他の上場会社でこういう記述があるんで株主提案があったときにはこう
       いうふうに、印がないときは株主提案は否、会社提案は賛、というようにしてもいいよとあって
       も、そんなくだらないことしないで自分たちで正々堂々とやってくれる会社になって欲しいんです
       よ。なんで、こういうふうにしちゃったのかなって、それをお聞きしたいんですが。
 遠藤   岩井取締役からお答えします。
 岩井    この点の賛否の記入の仕方につきましては株式実務の慣例に従いまして、議決権行使書面
       を作成いたしております。
 株主A  だから先ほど言ったように慣例であっても、議案については平等に扱うのが当然だから、そう
       いのをはずしてでもやってくれる会社になってほしいんですよ。それが、やはり、私の株主提案
       のところもそうなんだけど、ふさわしいことをやってくれれば、すばらしい事業展開が伸びていけ
       るんだと思うけど、みんながやっててこれ得だからって卑怯なことやっちゃうから、おかしくなる
       と思うんですけど。
 遠藤   ご意見として、じゃあ承らせていただきます。
 株主D  GICの件で先ほど書面での質問への回答のところでもありましたけれど 遠藤、お名前、聞こ
       えなかった
 株主D  先ほどいいましたが、(他の株主から、「何故マイクあなた達が使って、こちら側はないんだよ」
       と抗議の声)。 悪徳商法って言われることについて、何をもってそう言われるのか分からない、
       という答えでしたが、ただ、中途解約が非常に増えているということが会社からも言われてい
       ると思うんです。金融庁に届けている学研の書類でも、大学入試システム教材の中途解約が
       依然として高水準で続いており厳しい状況である、ということが書かれていて、解約による損
       失負担分の中で減益となっている、とされている。だから、何故中途解約数が増えてきている
       のか、という原因のところで考えれば、先ほどの悪徳商法という言い方はともかく、契約として
       はかなり強引な契約だったと私は聞いていますけど、それは根拠としては、ヤフーファイナンス
       の学研株主掲示板でも、毎日のように書き込みがされている、結局はだまされて契約した、あ
       るいは解約すれば学研クレジットの方からの強引な取り立てが始まる、裁判についても起こし
       ますよって脅しもかけられてきているっていうことで、GICの信用性、学研の信用性に関わって
       くると思うんで、何故、解約が伸びてきてしまったのかについての学研としての見解を聞かせて
       いただきたいと思います。
 安田    GICのキャンセルについてのお問い合わせですが、これは平成11年の訪販法の改正による
       ものでございます。(笑い声)
 株主E  マイクですが、あなたちだけが使って、私たちにはないわけです。株主が聞きたいこと、訴えた
       いことがあっても、あなたたちの声ばかりよく聞こえて、これは会場にマイクを・・
 遠藤   貴重なご意見として承らせていただきます。(と言いながら絶対にマイクを株主席に回さない
 株主D  いまの続きですが、法が改正されて解約ができるようになったから解約が増えた、というだけ
       の答えでしたが、それは今まで解約希望者が多かったが、解約できなかった、ということの現
       れでしょう。その(解約希望する)原因についてお尋ねしているのですが。その解約数というの
       はどれくらいになっているのか、この1年間における具体的な数値を含めて明らかにして、その             原因についても考えをお聞かせ願いたいということです。ぜひ、答えてください。
 遠藤   あの、ただいまのご質問は子会社のGICの問題についてのご質問だと思いますので、この株
       主総会とは関係ないので、他の方、質問をお願いします。(さっき途中まで答えたじゃないか、
       の声。関係あるだろ、の声)
御用株主  さっきから会社の足を引っ張る質問ばかりで、(「会社に問題があるからしょうがないじゃない
       か」の声)、学研の出版物が売れて業績が伸びる、そういう提案みたいなものが欲しいじゃな
       いですか。なんか学研の取締役、経営陣の足を引っ張るような発言というのは不愉快だと思
       います(社員株主たち、拍手)。(別の場所でも「株が下がるじゃないか」「経営陣を批判するか
       らじゃなくて、経営に問題があるから、それを正さず隠すから株が下がるんだ」との応酬)
 遠藤    ご意見として承ります。ありがとうございました。
 株主D  いま、株主の方の発言ありましたが、学研を叩こうとして言ってるんじゃなくて、何故、中途解約
       が増えてきているのか、これは大変なことで、その原因をきちんと究明していかなければ、学
       研の信用性の問題にも関わるから言ってるのです。
 遠藤   書面でお答えしています。 
 株主D  書面質問へのお答えで、何故悪徳と言われるのか分からない、と言ってるので、それではとい
       うことで、こういう事実をあげ質問しているのです。関係なくないでしょ。関係あるからお答えに
       なってるわけで。きちんとお答えください。
 遠藤  先ほどお答えしておりますが(これは遠藤社長が困った時の常套句になっています)。
 株主D 答えてないでしょ。法が変わったからと言ってるだけで、原因について語ってないでしょ。具体的
      な数字をあげて答えてください。
 遠藤  先ほど、書面での質問への冒頭でお答えしましたように、学研GICの問題については、子会社
      の問題で総会の目的事項ではありませんので割愛させていただきます。
      (何を言ってるんだ、ごまかしての声)
 株主F  私は、足をひっぱるつもりはなくて質問しますが、私は学研に時々行くのですが、事典がざーっ
      と並んでるんですね。さすがは学研だと再認識するんです。ところが書店に行きますと、それが
      いきなり1冊あったり、へたすると全然なかったり、これは私としては非常に残念なんです。何故
      かというと、事典は新物がどんどん出てるので、売れないと下がっていっちゃうんですね。書店に
      出ていなきゃ買わないですから、何故書店に出ないのか、出るためにどういうことをしているの
      か、お尋ねしたい。
 細野  いまのご指摘、大変貴重なご意見で、私どももこれから営業を強化して、できるだけご期待に添
      えるように頑張っていきたい、と考えます。
 株主F  答えとして受けておきますが、本当はその戦略をお聞きしたい、あとでゆっくり聞いてみたい、
      と思います。もう一つは、学習と科学の件で、科学については、日本は科学技術立国ということ
      で、子どもの頃からそういうことを育てていこうということで、学研に科学と学習があるということ
      は非常に貴重なことだと思う、特にいま学習は下がっていますがいま日本にモラルってのは死
      語になりつつあるような精神文化がどんどん後退しているような国ではますます必要になって
      いると思っているのですが、これは売らなければ駄目になる、売るためには私が言いたいのは、
      これ月刊媒体で広告を沢山取ってもらいたい。
 太田   学習、科学ですが、学習の方は前総会以後、月刊から学期刊になっております。でも雑誌で
      ございますので、できるだけ広告は入れていきたいと考えております。科学についても入れてい
      きたい、なんと言いますか、いろいろな商品開発を考えていきたいと思っております。
 株主G  西五反田への本社移転計画について、お尋ねします。来年の5月着工予定ですか、発表され
      ていましたが、減損会計との関連については加藤常務が明確に否定されていました。そこでお
      尋ねします。昨年の日刊工業新聞の6月22日号で、全文は省略しますが、関係するところを読
      み上げます。「そして05年度から義務づけられる減損会計に備え、東京西五反田にある本社
      移転予定地約3千平方メートルについて、遠藤は本社移転による有効利用の実現が喫緊の課
      題であることは十分に分かっている、近く決断すると言い切る」、とこのように書いてあります。
      これで見ても固定資産の減損会計に備えるという文脈の中では、明らかにこれをきっかけにと
      いうことになっていますが、
 遠藤  「減損会計に備えて」と書いてあるのですか?でしたら、それは間違いです。
 株主G 間違いですか?
 遠藤  間違いです。(場内に笑い) 
 株主G 日刊工業新聞の記者が独断で、これを書いたと・・
 遠藤  先ほど書面で回答申し上げましたとおり、減損の対象には、兆候がございません。
 株主G この記事には「減損会計に備えて」と書いて、
 遠藤  書いてあるんですか。それは誤りです。   
 株主G この記事は誤りなんですか。
 遠藤  誤りです。
 株主G 私が紹介してはじめてこの記事が存在してることが分かったということですか。
 遠藤  記事の存在・・。取材があったという記憶は確かございますが、私の中に減損会計に対して、そ
      れをあれするっていう認識は全くございませんので。
 株主G では、何故、かねてから取得した土地をいままで放置したわけじゃないんでしょうけど、手つか
      ずにいた土地を来年度から着工ということのきっかけになったのは、減損会計との関連なんじ
      ゃないですか?
 遠藤  違います。
 株主G そうすると、先ほどあった西五反田の土地の有効利用はかねてからの課題だったんじゃないで
      すか。
 遠藤  そうです。
 株主G では、どうして今日、来年着工ということになったんですか?土地を取得したのは10年前じゃな
      いですか。
 遠藤  そうです。私からお答えします。あの、やはり経営状況というものがございまして、3年前から黒
      字、それまでは長期の赤字でした。そういう中で、第一級の課題であったとしても、なかなか建
      設に踏み出すことはできない、先ほど申し上げましたように全社一丸となって黒字化することが
      できた、そういう段階を踏みながら、本社建設の実現に向かってきた、というのが実情です。放
      置していたわけではありません。
 株主G この点は重要だと思うので、引き続き。誤りである、と言うことには、私が誤りでない、というや
      りとりしても仕方がないので、言いませんが、先ほど移転による会社の赤字体質の脱却、その
      一環であるともうかがったのですが、それは経営が赤字であったときでも移転による有効な利
      用によって体質から脱却する大きな一環になりうると、いうことがあったんじゃないのですか。
 遠藤  それは、その時点での経営の判断・・・、先ほどの書面でのあれでは事業所の分散による非効
      率を解消し、収益向上を図る、と申し上げております。赤字から黒字への転換ということではな
      いです。
 株主G  そのために取得していたんじゃないのですか。移転を前提にして。減損会計が直接の引き金
      ということなら合点がいくんですよ。
 遠藤  先ほど申し上げたとおり、本社を建設できる経営状況にステップを踏んで持ってきているという
      ことです。
 株主G ニワトリが先か卵が先か、という話しじゃないんですが、だから土地を取得していたんじゃない
      ですか。
 遠藤  それは土地を取得した時点と現在ではだいぶ時間が離れていますから、同次元で議論するこ
      とはできないですね。現時点でどういう経営判断をしていくか、先を見込んでそういう判断をし
      ているんです。
    赤字体質(数字の上の、本当は今もそうだが)の頃にこそ、非効率な事業所分散をやめる
   必要があった、と言えますが、土地購入・新社屋建設に金がかかり、赤字状態では銀行借
   り入れもままならないということだったのでしょう。では、70億の土地購入は何故できたか、
   まだ連続赤字のはじまりだったとしても不明朗(売り主の日興証券との関係?)です。
    今回は、減損会計→移転の必要性→銀行借り入れが必要→そのための見せかけの黒字
   転換、という構図が浮かび上がってきそうです。カネボウの二の舞にならければよいのです
   が。
 
株主G 私、納得はしませんが、時間との関係で次行きます。いまの関連ですが、移転に伴って社屋
      についての利用計画、テナントに貸すとか予定はどうなっているのですか。
 遠藤  詳細については、これからいろいろ検討してまいりたいと考えています。
 株主G 来年5月着工ということなら、ビルの構造とかそういう設計図はそろそろできるのでは
 遠藤  これからでございます。いま、大枠を決めています。
 株主G どういうふうに有効活用していくのか、この総会では発表できないのですか。

 遠藤  いまのところは、まだ詳細まで詰めていません。ご説明できるようなことはまだ、これから一つ
      ひとつ決めていく予定です。
 株主G 株主に対する説明というのは年1回の総会で会社が重要な経営施策について説明する必要
      があるのでは。
 遠藤  それはその時点でご説明できることがあろうかと思いますので、最終的なことまで詰まってい
      ない段階でまだ申し上げることはさしさわるので。
      (「来年の総会では着工後なんだから、いまある程度出した方が良いのでは、の声)
 株主G いったん、そこで切ります。
御用株主 私の後輩で島津製作所とか、知り合いで堀場製作所とかいる。できたら企業広告とか、ぱ
       あーんと取っては、と考えています。
 遠藤  ありがとうございます。
 株主H 先ほどの他の株主さんからあった新社屋のことですが、それができるということは株主として
      も嬉しいわけです。しかし、できた後、いろいろなものが発生してくるわけですね。経理上の
      問題とか。ただ、現在の段階で詳細が分かっていないという話が先ほどありましたけど、新社
      屋を建設するということは、こういう方向で行けば売上が伴い、配当が出て経営が成り立つん
      だ、ということが今の段階で詳細が分かってなくても、取締役会ではいろいろ検討されてるべ
      きだと思うんです。そこらについて、見通しで結構ですけど概略を教えていただきたい。たとえ
      ば、サラリーマンがローンを借りて家を建てた、そしたら収入が無くてその家を売らなきゃなら
      んということもあるわけですね。会社にたとえれば、新社屋を建てるために資金を投入し、そ
      の後経費が発生し、売上・利益が伴わないために無配になり倒産してしまう、という恐れもあ
      るわけですね。そこら辺が分かる範囲でご説明いただきたい、と思います。
 岩井  先ほど来、社長がお答え申し上げていますように、現時点では、冒頭の書面回答で行いまし
      た、総工費7〜80億円で着工するということしか決まっておりませんので、ビルの中身がどう
      いう構成になるかということはこれから検討して決めていかなければならない課題でございま
      す。現在、社内で年齢の若い部門とか営業であるとか編集であるとかいう人間の構成ができ
      るだけ均等になるような形での社内でのプロジェクトを作っておりまして、新社屋グランドデザ
      インプロジェクトという名称で社員の声を集めるべく、プロジェクトを機能させております。このプ
      ロジェクトの方針もまだ現時点では終わっておりませんので、議長が申し上げておりますよう
      に詳細が決まる前の段階でございますので、この総会でも大変申し訳ございませんが、これ
      以上詳しいご説明をすることができない、という事情でございますのでご理解いただければと
      思います。 
 株主H 設計者に頼めばしっかりした物ができるでしょうから、私はそういうことを言っているのではな
      くて、ビルが新築されるのと合わせて学研という企業体をどういう方向に持っていけるか、とい
      う内容の面をお聞きしたかったわけです。まあ、それはいいでしょう。
    本社移転に経営的な展望を持っていないことが、この質疑応答で明らかです。岩井取締
    役は、とんでもない話に答えをそらしています。

 遠藤  簡単に申し上げますと、中期経営計画の3カ年計画をスタートする中で、その辺のことは組み
      込んでテーマとしていくつりです。
 株主H いま話題になってますM&Aの問題で、前に他の方から質問があったのか知りませんが、学
      研が魅力あるか、全くそんな対象でないかは別問題として、買収の動きに対応するということ
      を考えておかなくてはいけない、M&Aの動きが起きたときにどうするのか、お聞きしたい。
 遠藤  はい、あの一番の問題は業績向上による株価の上昇を実現していくことだというふうに認識
      しております。短期、中期の課題については、もろもろあろうかと検討して参りたいと思います
      が詳細についてはご勘弁願います。
 株主A 株主様へのアンケートというのを実施されていたと思いますが、あの結果とか、株主への特典
      とか簡単でもよいから教えてください。
 岩井  この総会が終了後に株主の皆様に発送を予定しております事業報告書の中に、このアンケー
      トの結果をご報告させていただいています。
 株主I 先ほどから問題になっている移転の問題に関連して。あの土地を購入したときに約70億円で
      購入したと思うのですが、時価でいくらになっているか明らかにしていただきたい、
 小林  時価につきましてはいろいろな調査期間で調べていて、それぞれの数字が出ておりますので、
      ここでのお答えは割愛させていただきたいと考えます。
 株主I 学研として、どのくらいの金額で見てるんですか。
 小林  この件につきましては、業界の中でもいろいろな数字が違っておりまして、ここでご紹介すると
      いうのは・・・。
 株主I 数字が違うというのであれば、せめて、最低から最高までどれくらい違うのか、その数字でも明
     らかにならないのですか。
    (笑い声。もう言いなさいよ、の声)
 小林  基本的には減損の兆候がないということで、察していただきたいと思います。
    (答えられない、ということか、の声)
    やはり、減損会計(05年度から遊休資産価値減少の損失処理義務づけ)の対象になる程、
   地価は購入時よりかなり下がっていると疑わせます。

 株主I  私たちの質問への答え、とは認識できませんが、次の質問に行きます。先ほど、新たな売上と
      利益の創出と従業員の長時間にわたる労働について、直接は関係がないんだ、というお答え
      があったのですが、いま学研の屋台骨であった直販が売上で市販に次ぐ第2位になるというこ
      との中で、構造的に曲がり角に来ているということで学研に於いては従業員の労働強化、労使
      間協調いうを気にしていたんですが、3カ年計画を立て、新社屋を建てるということで新たに羽
      ばたこうとするのであれば、やはり人は財産だと原点に立って、長時間労働、出版界全体が長
      時間労働は大きな問題ですけど、とりわけ学研においては長時間労働の問題は克服していか
      なければならない課題だと思うんですが、より詳細にそれへのお答えをいただきたい。
 岩井  先ほどの書面回答は誤解をされるかも知れませんが、58期と59期を比べますとデータ上は残
      業が減っているという結果が現れております。それから労働時間のデータが、これまでは本人
      の手書きによる勤務表によって把握していたものを、一昨年の暮れあたりから磁気カードを利
      用したデジタル方式による時間管理の方式に変えたということもございまして、残業時間に対す
      る社員の考え方がそれなりにシビアなものになってきた、と捉えております。そういうことで、こ
      れから課題であることは重々承知しておりますが、社員の意識、それから管理職、役員におい
      てそれなりの意識をもって残業時間の減に取り組んで行こうとしているところです。
 株主B いまの点に関連して質問です。質問書でも出しているのですが、長時間労働が大きな問題で、
      いつも3月末にかけて無理な売上計上を果たそうということで職場で労働過重になっていると
      いうことを聞いているわけです。労働者の不満が高まって、職場のモラルの後退、志気が低下
      するということが心配されることになるわけですが、そういう点で、質問書でお聞きしているので
      すが、回答が無かったので改めてうかがいますが、平均の残業時間、それから有給休暇の平
      均日数と取得率を示していただきたい。それからIDカードの導入のことを先ほども話していまし
      たが、残業時間の減少へ向けてどのような取り組みをしているのか、また育児休暇や介護休暇
      の制度と運用実績もどうなっているのか質問書で出したのですが、全くお答えがなかったので、 
      お聞きします。
 岩井  残業の平均時間とか何をもって平均とするのか分からなかったので回答を準備してないのです
      が、昨今、組合と「残業問題協議会」という名の協議会を設けて、組合幹部と人事部のメンバー
      で具体的な残業減に向けた検討をしています。その中では残業時間を平均で見るのではなく、
      社員一人一人の個別の残業実態を見て過重な残業を減らしていく、多い者につき対応策を討
      するということを中心にやっています。具体的には上司と過重な残業実態にある社員が個別に
      面談するという場を設けています。育児休業、介護休業については法の定めのとおり学研も制
      度を設定して、おかげさまで育児休業については制度施行以来のべ59名の利用がございます。
      これは かなり積極的に利用してもらっていると見てよいと判断しています。夫の側の利用の実
      績もあります。介護休業についても平成10年11月以降に同制度を実施しています。ただ、残念
      ながら育児休業とは逆に社員からの申請がそう多くないという実態です。
 株主B  いまのお答えでもれていた点について。確かに長時間残業が個人にしわ寄せが行って、過労
      死等になってはいけないので個別の状況を考えていく必要はあるかと思うのですが、平均残業
      時間については月単位で何時間くらいか、有給取得率はどうか、という数字は出せるかと思うの
      で、お答えいただきたいと考えます。
 岩井   先ほど申し上げたように最近は個別の残業を見ることに重きをおき、全社の平均を出すという
      ようなことはしておりませんので、今日もその関係の資料を持ち合わせていませんので、ご容赦
      いただきたいと思います。
 株主B  あの、傾向としてどうなんでしょうか?有給の取得の状況というのは。それぐらいは、お答えい
      ただけるのではないですか。
 岩井   傾向としてはですね、残業については先ほど申しましたように数値上は減少傾向にあります。
      有給休暇の取得については計画年休制度をもう10年前から施行しておりまして、なるべく社員
      が有給休暇を取りやすい環境づくりに努めておりまして、その利用率もかなり高いものになって
      おります。
    学研社員からの聞き取りとは、随分違う答弁を岩井取締役は行っています。実態は、長時
    間残業は解消されておらず、有給休暇取得もままならず、不満はおさまるところを知らない
    状態のようです。そもそもIDカード導入で勤務時間をコンピュータ管理しているのだから、
    平均残業時間など簡単に割り出されているはずです。平均値に意味なしと答えていますが、
    全体的に長時間残業が多く、平均値にも顕著に現れていることを隠したいだけなのでしょ
    う。

 御用株主  御社の昭和20年代を知る私にとって、学研さんのイメージがいまは違うなと感じますが、
        社内カンパニーとか事業部制とかいうのをやられる意向があるのか、お聞きしたい。
 遠藤    あの事業部制はいま採っております。
 御用株主  カンパニー制は
 遠藤    それは重要なテーマとして視野の中にないわけではありませんが、いまのところ未だその考
       えはございません。 
 株主H  4月1日から個人情報保護法が施行されています。それは学研にも適用されるわけで、学研も
      個人情報をもっておられると思いますが、それが漏洩するようなことになれば大変なことになり
      ますが、その対応策を現時点でどのように考えておられるのか。
 加藤  我が社では個人情報の保護・管理のために社員個人個人の認識と行動が最も大切だと考えて
      います。そこで、独自の個人情報の規定類を定め、社達として伝えています。派遣社員、嘱託の
      方にも研修会を実施して、個人情報の取り扱いについて誓約書もいただいておりまして、確認し
      ています。大事なのはこういうことをやったことで根付いた個人個人の意識が基礎となって、保 
      護の意識が徹底されると考えています。
 株主D 書面回答があった電子教材の訴訟の関係なんですが、CAIスクール全国で何校くらいあるので
      すか。
 細野  直近では把握しておりませんが、大体300くらいです。 
 株主D だいぶ、それは減ってきているということなんですか。
 細野  加藤常務がお答えしたように低迷はしておりますけれど、とりたてて大きく変化はしておりません。
 株主D  3月に著作権侵害事件で和解があったと先ほど聞きましたが、無断で使用されたことに対する
      使用差し止めの裁判だったと思いますが、それでCAIスクールでは国語の教材については使え
      ない状態になっている、と聞いたのですが、和解によって教材は使えるようになったのか、それ
      くらいは教えていただけませんか。
 遠藤  (しばらく沈黙の後)、裁判所での和解内容のことなので・・・
 株主D 国語の教材が使えないということはスクールのオーナーさんにとっては大変なことなので、それ
      は私たちも関心があるところなので、
 細野  私どもの構成するシステムの内容は大きいものでございますので、いまご指摘のところにつき抵
      触しないようにして十分に教室運営ができております。問題がない、と考えております。
    国語教材が配信停止になっていることは、前にニュースに掲載しました。細野取締役のいう
    「抵触しないように」とは何をさすか、不明で曖昧な答弁ですが、国語教材の作り直しは大変
    時間がかかっているはずで、配信停止のままではスクールオーナーの学研離れが進行した
    様子です。ビジュアル著作権協会では他の著者の著作権侵害にも提訴を準備できているこ
    とは学研も承知のはずですし。「裁判が進行中」と言っては回答を逃げ、「和解内容のことは
    答えられない」とまた回答を逃げる、した

 株主C  売掛金の推移ですが、2003年9月148億円、去年の3月236億円、去年の9月で144億円、
      今年の3月255億円で、全体の売上は去年より落ちているのに、今期末売り掛け金は多い、こ
      れ去年並みの売り掛け金だったら今年は赤字じゃないですか。
 小林  2月、3月の売上が去年に比べて大きく、その影響もありまして3月末の売掛金が増えたという
      ことです。
 株主C   あの
 遠藤  継続ですか。先ほど書面でもお答えしておりますから
 株主C  分からないので、1月は前年比何%増、2月は何%増、3月は何%増という形で示してもらいた
       いのです。
     (株主F、「わかんないって言ってるじゃない。そんなこと資料がないから今分かんないって言って
      るのに聞いてもしょうがないじゃない」と会社に助け船で爆笑。「それは質問してるんだし」、「な
      さけない」の声)
 小林  手元に月別のものをもってきておりませんので大変申し訳ございません。
 株主C ということは、最終的に売掛金が東販から書店に行ってお客さんが買ってくれればいいけど、何
      割かは戻ってくるわけですよね。それが9月の中間でいつも大きな赤字になる。ちょっとひどい
      無理があるんじゃないか。仕掛品も約35億円くらいありますが、これ不良在庫が相当あるんじ
      ゃないですか。
 小林  9月期赤字という指摘ですが、学研の売上の形、出版の時期が新学期商戦というものがありま
      して、どうしても後期、10月から3月期に売上が多いという傾向がございます。その結果として9
      月期より3月期の方が売上量も多い、ということになります。
    出版の委託販売制度を利用して3月決算直前にムック本等を乱造して売上げと利益計上を、
    この数年くり返している学研。黒字回復を果たした、と言っても3月に形だけ繕っているにす
    ぎません。

      返本増大で中間決算の赤字は膨れるばかりで、04年9月は、27億円の赤字で前年9
    月の倍に。今年4月以降の市販部門の在庫は114億円でその内、E級在庫(廃棄するしか
    ないもの)は54・8億円にも昇ることが判明しています。早くも返本の山です。
     この雪だるま式赤字の実態を隠すために、また3月決算で帳尻合わせを行う悪循環はア
    リ地獄にはまったようです。見せかけの黒字決算計上へ自転車操業状態の学研の経営の
    実態がうかがえます。

 株主H ちょっと理解ができないところがありまして、この招集通知の5ページ目に会社が対処すべき課
      題というのがあります。強化拡大事業への積極投資、不採算部門事業の赤字解消、 これらは
      具体的にどういう商品、どういう物であるのか、教えていただきたい。
 遠藤  強化拡大事業ですが、事業領域として、4つ、市販部門、教室、科学、乳幼児戦略といったもの、
      この4つの事業領域を強化拡大事業というふうに、捉えています。不採算部門というのは、先ほ
      どの家庭訪問販売事業、CAI事業といったもの、新たな事業領域というのはまだ立ち上げ準備
      中のものもありますが、たとえばウエルネス、介護事業ですね、ヒューマンサポートとかソーシャ
      ルアシスト事業、等で市場調査を進めながらできるだけ早い時期に定着・拡大を考えたい。
 株主H 将来的に利益を得るためには市場を拡大して売上を伸ばすことが一番大事なことですが、いま
      我々株主が、いろいろな話を聞いておりますと来年は3円の配当より5円、再来年は6円頂戴し
      たいということで、ものすごい大きなことは投資ということで、誤った投資であるのか、そういう
      判断は難しい問題じゃないかと思うのですが、いま遠藤社長がおっしゃいました考え方というの
      はどうでしょうか。2年先、3年先間違いないんですか。株主にとってはものすごく大事なことな
      のです。
 遠藤  全力をつくして頑張ってまいります。
 株主H 学研の本体というのは直販じゃないですか。
 遠藤  だいぶ世の中の変化に即して、新しい時代に対応していかなければならないと思うので、その
      辺は柔軟に弾力的に事業展開を考えてまいりたいと考えております。
 株主H 人が少なくなればなるほど、大事なのは人と人とのつながり、心ですよ。そのあたりをよく考え
      て投資をしていただきたいと思います。
 遠藤  分かりました。
    一般株主も、学研の経営状況、経営姿勢、総会運営に不安と不満を感じていることが分か
    ります。学研の経営姿勢からは、介護事業等の新規事業も老人や障害者の人々を食い物
    にしていこうとするだけでしかないのでは、と不安にさせます。 

 御用株主 生涯教育、生涯教育ってあるけど、私も70になってちゃんと始めたんですけど、NHKブック
        スで出している以外に老人に対しているものがないんです。そういう生涯教育で老人対象
        のものは老人、金持ってるからお金になるんじゃないかということで言ったのですが。      
 遠藤  検討させていただきたいと思います。
 株主J 毎回総会に出ておりますが、もうすぐ2時間になります。いままで越えたことないんですが、もう
      少しゆっくり時間とって質疑をやった方がいい、3号議案にある退職慰労金その他に関係する
      のですが、先ほどの書面回答で井上取締役は一身上の都合で退任した、これわかりましたが、
      岡本監査役が1年で辞任をし、ここで承認されれば取締役になるというわけですが、監査役を
      任期途中の1年でやめた理由ってのは何故かお聞きしたいんです。
 遠藤  それは先ほど申し上げましたように取締役就任に伴って監査役の辞任でして、内容で申しまし
      ても監査役の業務を十全に取り組んでいただいたわけです。これからIT関連の事業拡大とい
      うことで、岡本氏の経験とノウハウをそちらの方で活かしていただくということが背景にござい
      ます。
 株主J そういうことであればいいのですが、何か特別な理由があって監査役として不適任であるとい
      うようなことではないのか、と株主としては考えるわけですよ。(「考えるのが普通だよ」の株主
      の声)。もう一つは、各企業で株主への広報活動っていうのをいろいろやっているのですが、
      学研からは株主総会の案内が来るだけなんです。私他の会社の株主にもなっていますので、
      あるいは同業の会社なんかでも株主に対する案内、広報活動を積極的にやってるわけです。
      そういうことをやっていれば、どなたかが言った質問も事前に分かるわけです。担当役員の古
      岡さんに答弁していただきたいのですが、株主アンケートへのご協力ってのをいただきました
      ね。その結果どうなってるか、実は報告がないんで分かりませんが、まあ、報告しなくていいや
      という態度かも分かりませんが、当社のIR活動という項目がアからカまでありましたけど、株主
      がどんなことを希望しているんですか、私は希望があるんですけど集計とっているんですね、そ
      の集計の結果、新たなIR活動やりましょうということが検討されておれば、教えていただきたい
      と思います。
 古岡  ご指摘のとおり中間事業報告書送付の際に、株主様へのアンケートを実施させていただきまし
      た。約2800名の皆様にご回答いただきました。多くの株主様が長期保有のご意思を持ってら
      っしゃる、ということが明確に私ども認識させていただきました。また、さらなる値上がりの期待
      をもってらっしゃる、ということが新たに明確に認識いたしました。
       また、株主様、個人投資家向けの広報を充実して欲しいというご要望があることを認識させて
      いただきました。このような視点から、今年度より事業報告書のリニューアルし、より大判でカラ
      ー化したものに改訂をさせていただきます。また、よりわかりやすい経営情報ということでインタ
      ーネットホームページの改訂も進めてまいります。また株主様との接点を増やすという点で本年
      度より株主優待制度を設けさせていただいています。今後とも株主様に密着してよりわかりや
      すいIR活動を行っていく所存です。株主様には今後ともご理解ご支援をよろしくお願い申し上げ
      ます。
    総会後送られてきた事業報告書(総会での可決事項、今回は否決事項も6月29日付けで
    印刷され、翌日には株主に送付されて来るのは、総会での質疑や一般株主の意向など関
    係ない、会社があらかじめ決めたとおりに決議されるのだ、といっているようなもので、しら
    けさせるものでしかありませんが)には、アンケート結果が円グラフで表示され、学研株の
    長期保有希望者が40・8%、売却の意向が12・8%、未定・その他が35・2%となってい
    ました。未定の株主はもちろん、長期保有意向の株主でも、学研の実態露見が進めば、売
    却が一気に進む可能性も示しています。

 遠藤 (先ほどから株主が手を挙げているのを無視し、いきなり)、あの、そろそろ決議事項に移らせてい
      ただきたいと思います。
 株主B 遠藤議長、議案に関連して最後に質問・意見があり。 
 遠藤  では、決議に進めて参ります。(手を挙げてるぞ、の声。ヤジ、騒然とした中)
 株主B すみません、議案に関連して。まだ2問しか質問してないんですよ。
 遠藤  株主ご提案の議案につき付議しておりますので、・・・
 株主B その点に関してまだ意見を言わせてないじゃないですか
 遠藤  おすわりください。ただいま大多数の賛成をいただきました。
 株主B 全然意見言わせないんですか
 遠藤  株主ご提案の第7号議案、8号議案を先に採決させていただきたいと思いますが、いかがでしょ
      うか。(社員株主の異議なし、賛成の声、おかしいよ意見言わせろの声がまじり騒然)
 株主B 意見言わせてくださいよ。議論なしに採決するんですか。
 遠藤  (無視して)では7号議案について。本議案につき賛成の方、挙手願います。その他の方は反
      対と見なしてよろしゅうございますか。(社員株主拍手、「保留もあるぞ」の声)
 株主B 欠席者の1927名の賛否の内訳を教えてくださいよ。
 遠藤  賛成、少数と見なします。(社員株主拍手)
 株主B 議決権行使書の総数の内訳を明らかにしてくださいよ。
 遠藤  議事を妨げないでください。続いて、株主ご提案の8号議案につき採決いたします。賛成の方、
      挙手願います。(賛成、社外監査役ふやすべきだ、の声)
 遠藤  本議案反対の方、多数と見なします。
    私たちふじせ労組は、ふじせ労組委員長を社外監査役に選任するという7号議案には保留
    をし、監査役の増員のための定款変更を求めた8号議案には賛成しました。学研が私たち
    の事実上の使用者に当たるという立場を捨ててない私たちからは労組員が使用者側(役
    員)になることは有り得ないからです。ドイツでは組合から監査役を出す仕組みがあるよう
    ですが。学研は、そんなことにも認識が及ばず、対抗馬の監査役まで立てて構えてきたの
    は滑稽でした。使用者性を否定する学研側からはこの労組法の規約は持ち出せなかった
    にせよ、私たちが賛成すると考え、焦る様は愚かとしか言いようがありません。

  
以下、ヤジと怒号、社員株主の異議なしの声の中、騒然としたまま、会社提案を「可決」とし、選任役員
 を紹介し終了。   

 株主B (議長席に詰め寄り)違法な株主総会じゃないですか。質疑を一方的にうち切って、議案に対す
      る意見を全然いわせないじゃないですか。(社員株主の動員やめなさいよ、の声)遠藤さん、何
      でこういうことやってるんですか。こういう株主総会の運営を。おかしいじゃないですか。遠藤さん、
      議案について挙手してるのに何も言わせないのはおかしいじゃないですか。最後は採決しかし
      ないというからその前に意見表明しようとしているんでしょ。それをどうして認めないんですか(ど
      うしてささなかったんだよ、の声)。遠藤さん、こういう総会運営やってていいんですか。(遠藤さ
      ん、答えろよ、の声)。学研のやってることは情報公開と全く逆行してるじゃないか。質問にはち
      ゃんと答えないし数字も出さないし、肝心なことについては何も答えてないじゃないか。そういう
      のを直さないと学研の再建なんてないから私たちは質問してるんでしょう。中間の実態を見たら
      いまの学研の実力はどうなっているか、経営の実情はわかるじゃないですか。そういう数字も明
      らかにしろということで質問してるわけでしょ。全部門マイナス成長ですよ、金融庁に届けてる中
      間の数字で見れば。どういう展望があるのかちゃんと示さなきゃ、遠藤さん、遠藤さん。
   遠藤、会場裏手口から逃げて行く。
     
私たちは、4号議案の川崎監査役擁立の根拠を問い質し、学研の変わらぬ体質に対し、真
    に独立した社外取締役によるチェックを行い学研を改革して行こうとの個人株主A氏からの7
    号議案、8号議案が出されたことの画期的意義、ふじせ労組とは別個に良識ある株主の声
    が上がったことを経営陣や全株主が受け止め、皆が改革に向け努力する必要があること、7
    号議案反対の取締役会の意見にある、「ふじせ労組の国分氏の学研経営を批判するビラを
    配布する等の行動が会社に対立的な行動である」として、公正な監査役に相応しくないとい
    う反対理由は間違いであること、経営陣を批判することは、会社に関わる人々の真の利害を
    追求することの一環として行われていることを意見として述べようとしました。しかし、全く意
    見を言わせない総会運営によって、学研は改善と立て直しの機会を、またも逸したのです。
    「学研は変わらないよ」とある株主が言っていた言葉が印象的でした。