学研、本社の五反田移転を
社内発表、決算見通しも発表
予想される労働者への一層の犠牲強要策を許さず、はね返そう!
会社は4月初め、本社の五反田移転を社内発表しました。「これ以外の選択肢のない切実な現実の問題」として実践的なシミュレーションを行った結果、06年着工、08年に23階建ての本社ビルを完成、移転統合を行うこととなったのだそうです。かなり無謀な賭けではないのか、と前号でも書きましたが、社内からも、「150億円とも言われる建設費(かなりの部分が銀行借り入れとかんがえられる)を使って、そのようなビルを建てる余裕が会社にあるのか、それなら社員をもっと厚遇すべきだ。また、それに見合う経営の将来展望があるとは思えない」とのこのかんの労働強化への不満の声が上がっています。
また、会社は、4月22日、第59期の決算見通しを報道発表しました。本社単体で、売上げ747億9千万円(前期755億円)経常利益4・3億円(前期12億8千万)、当期利益8・4億円(前期10億円)という数字で、「利益10億円計上」との強気の予想を立てていたものを下方修正したものです。それでも、2月に報道された04年4月〜12月までの3四半期の赤字が29億円(学習教材の低迷、返品増加、大学入試システム教材の中途解約増加等が指摘された)では、さすがに今期は赤字濃厚だろうと見られてきた3月決算につき、第4四半期(1月〜3月)だけでよく37億円の利益(!)を出したと評価する向きもあるかも知れません(子会社学研事務機販売の清算による特別損失を上回る資産売却益=特別利益もあるので、33億円くらいか)。配当も3円ほど出す予定のようです。
しかし、株主総会等の場で私たちも明らかにし、追及してきたように、後の返本増大=中間赤字の拡大を覚悟した上での期末の帳尻合わせの売上げ増での計上は、株価維持と銀行からの借り入れのための粉飾的な黒字でしかないとの疑惑を学研内外の人々に抱かせるものです。会社は、またまた「06年3月期を起点とする中期経営計画」を社内発表していますが、まさに無惨な計画倒れに終わった先の中期経営計画に比べると「慎重な」目標としています(60期735億円を売上げの底として、61期=745億円、62期=760億円、利益を各10億円、15億円、23億円としている)。これが最低ラインの絶対的な目標としているわけですが、その展望さえ厳しいものがあります。 そうなると、これを至上命題とする経営陣が、これからやろうとすることは、これまでの経営責任の転化の姿勢から見て、労働強化・賃金押さえ込み等の学研及び関連労働者への犠牲強要策の一層の強化であることは明らかです。職務手当(見なし残業手当)の廃止、成果給導入等の賃金体系の改悪が既に進められようとしています。「成果給」については、昨年12月号の「パルス」で、出版関連労組交流会議の秋年末交流・討論集会「成果給・成果主義に惑わされるな」の報告を詳しく掲載し、その問題点を指摘しました。ふじせのホームページ等を参照してください。また、成果給導入の失敗例などを上げて批判している書籍もだいぶ出されています。
労働者を過酷な競争と労働強化に追い込んでいくものでしかない学研経営の施策を許さず、共にはね返していく必要があります。
春季攻勢、前半戦
学研社前闘争−イベント会場前闘争を展開!
3・10学研社前闘争で役員追及
朝ビラ配布、就職学生へも情宣
3月10日は、朝8時から朝ビラを配布しました。8時15分頃、安田常務が出社してきたので、抗議しようとすると、安田取締役は、いつも通っている正面口をかわし東口から逃げるように入構して行きました。シュプレヒコールが背中から社前正面から安田常務に浴びせられました。この後、この日は会社説明会に当たっており、就職学生が次々とやって来ました。「パルス」とは別に、争議を抱えた学研の実態を知らせるビラを渡しました。その間にも、8時20頃から30分頃にかけて、細野、富樫、太田の各取締役が出社してきたので、抗議・団交要求を行い、シュプレヒコールを上げました。
9時過ぎからは社前正面で座り込み、マイク情宣を行うと共に、学生へのビラ配布を継続、10時過ぎまで、有効な社前行動を展開しました。労働組合の行動もめずらしかった様子でしたが、学生さんたちは、多くの人がビラを受け取り、争議を抱えた会社のことを書いた文面に注目していました。
3・10学研本社・長原口へ逃げ込む太田取締役を追及
4・8創業60周年記念行事の講演会会場=
ホテルパシフィック前で情宣・抗議行動を展開
4月8日、ふじせ労組・支援共闘会議は、東京南部地区の共闘組織である南部地区交流会の統一行動の一環として、朝からのス労自主闘争(エクソンモービル本社前)・品川臨職共闘(区庁舎前)に続く3番目の現場として、学研イベント会場前での抗議行動を行いました。
4・8ホテルパシフィック前で抗議の声を上げる
品川駅高輪口正面にあるホテルパシフィックで、4月8日に創業60周年記念企画として学研社員対象の講演集会がありました。06年が60周年にあたり、これから来年にかけて記念行事を予定、その第1弾として、ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊氏と作家の伊集院静氏を講師によんでの集まりでした。
西五反田の私たちの組合事務所に隣接した土地に本社を建てるとの決定といい、この4・8の行事が南部統一行動の日程にどんぴしゃで当たったことといい、どうも学研は私たちと切ってもきれない縁があるようです。
午後1時30分からホテル周辺に旗・横断幕を設営し、玄関ロビーにつながる3カ所に分かれてビラ配布を開始、正面ではマイクを据えてアピールし、ホテル利用者、通行人に情宣を行いました。当該から、争議を抱えて不祥事も続出の学研の実態、問題体質を訴えて20分、続いて、結集してくれた仲間の中から、教育社労組(出労交)、連帯大道測量(争団連)、ス労自主(南部交流会)と次々にリレー情宣を行ってもらいました。2時をまわりはじめたあたりから、ホテルに入っていく学研関係者もちらほらという感じで、総務の社員が「こんなところにまで来ているのか」という顔をして通りすぎました。しかし、全体として講演集会出席者は多くありません。参加を呼び掛けられたが、社内では職場に残って仕事をしている労働者も多かったようです。リストラによる労働強化のつけをまわされて、強制でもないイベントに出かける暇などないという受け止めもあったのでしょう。
2時40分頃から再び当該がマイク情宣を行い、55分には全員が正面に集合して、「争議を抱えた60周年イベント開催糾弾」等のシュプレヒコールをホテルに向けて浴びせて行動を終えました。参加者、ホテル利用者、駅前を通行する人やホテル前のバス停留所を利用する人へ効果的な学研糾弾の情宣を行うことができました。
南部交流会の3現場を貫く統一行動としても成功裏に打ち抜き、エッソの大合理化・8名の不当解雇撤回を闘うス労自主闘争、中労委審問が結審して品川区当局の臨職使い捨て解雇との闘いが大きなヤマ場の品川臨職闘争と共に経営・当局への春季攻勢を押し上げることができた闘いでした。
祝 渡辺工業闘争勝利!
主に東大構内で空調施設等の制作・保守などを行ってきた土木会社渡辺工業で不当解雇された田中さんの解雇撤回闘争は、さる3月29日に「会社の陳謝、解雇撤回・原職復帰、解決金の支払い」等をかち取り、6年9ヶ月の争議に勝利しました。共に争議団連絡会議で闘ってきた仲間には弾圧、不当判決等の争議解体攻撃が続き、これらと対峙しての長期争議が続いてきていますが、その中での連帯労組・渡辺工業の勝利は大きな成果で嬉しい限りです。4月30日には、ハイライフプラザいたばしでの勝利報告集会(16時〜)と祝勝の宴(18時〜)が開催されます。
3月13日には、全国争議団交流会第24回が開催され、前夜討論や分科会(争議経験交流、反弾圧、合同労組、等)で、争議の解決水準や局面を一歩二歩と押し上げるために、熱のこもった討論が行われ、101名の参加での交流集会もかち取られました。翌日の全国結集現場行動も、午前8時〜国鉄臨職和田さん闘争(新橋・鉄建運輸機構前)が81名の参加で、11時30分〜教育社闘争(ニュートン&ニュートンプレス社前)が123名の結集で力強く打ち抜かれました。
3・30南部交流会春季集会開催!
4・28闘争反処分闘争へ!
南部地区労働者交流会は、3月30日春季集会を開催し、地域・全都の多くの仲間から連帯挨拶を受け、南部の各争議団、新たな仲間が加わった地域合同労組から闘いへの抱負が語られ、4・8統一行動、4・28集中闘争への結集が呼び掛けられました。
4月28日(木)午後16時30分〜大崎郵便局前行動、18時30分〜反処分総決起集会=南部労政会館(JR大崎駅東口)
4・22出版関連労組交流会議
春季集会を開催!
出版関連労組交流会議(出労交)の春季集会が4月22日夜、飯田橋シニアワークで開催され、主婦と生活労組、ダイヤモンド社労組の新人コンビの司会で、連帯渡辺工業、労働法連絡会からの連帯挨拶、廣川書店、平凡出版、大口製本、協和出版、双葉社、論創社、ダイヤ、主婦と生活、光文社、全学研等の各労組職場報告、各争議団報告など中身の濃い発言が続き、すべての闘いの勝利をめざし、交流・共闘の強化を確認しました。