学研経営陣の迷走。「減損会計適用を避け、巨額借り入れで五反田移転」は無謀な賭けではないか?
会社は、社内報「学研ライフ」の1月号で本社屋の五反田移転につきシュミレーションを開始したことを公表しました。私たちは、昨年6月の株主総会で、本社の移転と減損会計との関係につき問い質しました。そのときのやりとりは以下のようでした。
株主J 西五反田の土地について減損会計が適用になるという兆候はない、というお答
えでしたよね。西五反田の土地、簿価で80億くらいで計上されているんでし
たか?
遠藤 いえ、違います。
株主J いくらですか。それに対して時価ではいくらなんですか。(遠藤社長、答えず)
その差を穴埋めできる利益が、あの土地の使用で埋められる状態になっている
のか、お聞きしたいんです。
遠藤 小林取締役がお答えします。
小林 減損会計は、あくまで時価会計で見た取得原価の修正だということで、そうしまし
て五反田の土地というお話なんですが、減損会計の適用の要件というのはいくつも
あるんですが、五反田の土地については、最も著しい地価の下落が生じた場合は
減損の兆候があるということなんですが、そういう状況ではない、というふうに当社
では考えています。
株主J じゃあ、損失処理の見込みはない、ということですね。
遠藤 (それには答えず)、他に質問がございますか
株主総会では、減損会計適用と五反田移転検討は無関係と最初に答えていた会社ですが、その後、日刊工業新聞の記事などで「減損会計との関係で移転は喫緊の課題」と関係を認めざるを得なくなり、ついに移転の方向で動き始めたということのようです。
新しい会計基準で、含み損を抱えた土地などの資産の計上を時価で行わなければならなくなって、このまま10年以上、前に五反田に買ったままの遊休地を会社は放置できなくなったということです。移転し、そこで利益を上げているという形にしなければ減損会計の適用は免れられないのです(固定資産が将来的に生み出すキャッシュフローの合計が帳簿価額を下回ることが確実であると見込まれる場合に、固定資産を回収可能額まで減額し、差額を減損損失として損益計算書に計上しなければならない)。「経営再建が実現したら移転」と言っていたのが、実質的には未だ再建を果たさない状態で、五反田の土地を売却するか、銀行から巨額の借り入れをして移転するかの決断を迫られることになったのです。
経営展望を欠いたままの移転は大きな賭けと言うほかありません。創業60周年企画、「今春の大型企画」と言われている「科学のたまご」等で学研の業績の実情に突破口が開けるでしょうか?おおかたの見方は否定的です。特に争議を抱えた問題体質が変わらないままではなおさら無謀な賭けと言われても仕方がありません。
いずれにしても私たちは、五反田移転をも迎え撃つ態勢でふじせ闘争勝利をめざして闘います。
あらゆる場で学研経営の争議責任を追及するぞ!
北九州市自分史文学賞授賞
式会場前で情宣行動を展開!
ふじせ労組は、2月20日、北九州市主催の自分史文学賞授賞式が行われた小倉駅前のリーガロイヤルホテルで情宣行動を展開しました。
この日の北九州は朝から雪で、行動を始めた頃には最も強く降って冷たい風も吹きすさぶ状態でした。しかし、地元の北九州自立連帯労組、福岡合同労組、福岡グリーンコープ自立労組など、長い間にわたって私たちと全国的な連帯・共闘を進めている仲間が大勢かけつけてくれました。駅からのびる歩道橋が2本、さいわい屋根がついていて、ここを通ってホテルまで直行できます。イベント参加者や駅前を通行する人々にビラを配布しました。参加者の殆どがビラを受け取ってくれて、会場に入るまでの間も熱心に読んでくれ、学研の実情に驚きの声をあげる人もいました。そして、マイクでも、この賞を後援している学研で起きていることにつき訴え、力強い情宣行動を打ち抜くことができました。地元の支援の仲間からもマイクで訴えてもらい、皆で会場に向かって抗議のシュプレヒコールをあげました。
私たちは以前から北九州市に対して、争議を抱え、不祥事も絶えない今の学研が自分史文学賞を後援することに異議ありとして申し入れ行動を行ってきました。下請会社で劣悪な労働条件を改善しようと労組を結成しただけで、全ての委託編集業務を総引き上げして会社を倒産させ全員を解雇するというやり方を取っても、そこに働いている者一人ひとりの自分史を大切にしてはいない、むしろ踏みにじるものであり、到底この賞を後援する資格はないのだ、ということを指摘してきました。学研が争議を解決するなど責任を取る姿勢がない限り、後援を受けるべきでないという申し入れをしてきたのです。 しかし、北九州市は、元建設官僚の末吉市長の箱もの行政が市民からも批判されていますが、学研に後援を依頼することになった経緯の説明ばかりで、私たちの問いかけには、申し入れに応じた教育委員会文化振興課(現在は経済文化局文化振興課)が何一つまともに答えられない状態で、「受賞作を出版してくれるところがなかった」などという理由にならない理由を述べているばかりでした。
私たちは、問題を抱えたまま、社会的なイベントに参画する学研経営に対しては、今後もあらゆる場面で抗議の声を上げていくつもりです。
ふじせ争議を知らせるビラに注目集まる 2・20リーガロイヤルホテル小倉前
2・17学研社前闘争
無責任な逃亡をくり返す役員に抗議・追及を浴びせる!
2月17日、ふじせ労組と支援共闘会議は、学研本社前で抗議行動を行いました。出社する学研関係者に1・21五反田デモの成功等を報告する朝ビラを配布し、合わせて役員一人ひとりに争議解決の決断を迫る団交申し入れ 行動を行いました。この日も、安田、富樫の両常務、小林、細野、太田の各取締役に、「団交申入書を受け取り、争議解決の話し合いを行いなさい」と迫りました。何も言わずに社内に逃げ込む役員らの背中にも抗議の声が浴びせられました。
この後、社前に座り込み、午前中の抗議行動を打ち抜きました。
3・13全国争議団交流集会ー3・14全国結集行動へ!
全国の争議を闘う仲間が集い、交流・共闘を深めてきた全国争議団交流会も、今年は
第24回を迎えます。分科会討論、交流集会と翌日の全国結集現場行動へ参加を。
3月13日(日)午後1時〜4時 分科会(争議経験交流、反弾圧、合同労組、等)
4時30分〜全国交流集会 会場=文京区民センター
3月14日(月)午前8時〜国鉄臨職和田さん闘争(新橋・鉄建運輸機構前)
11時30分〜教育社闘争(ニュートン&ニュートンプレス社前) (新宿住友ビル)
3・30南部交流会春季集会へ
南部地域の労組・争議団を中心とした地域共闘組織=南部地区労働者交流会は、春季集会を開催し、品川臨職闘争、ス労自主闘争、全逓4・28闘争、ふじせ闘争等の南部の各争議の勝利、新たな仲間が加わった地域合同労組=南部労組の発展、都立高校日の丸・君が代の強制に反対する闘い、渋谷のじ連(野宿者)の闘い等の共闘課題の前進をめざします。
3月30日(水) 午後6時45分〜 南部労政会館(JR大崎駅東口)
4・22出版関連労組交流会議春季集会
出版産別で闘う、版元・印刷・製本・小売り・下請け労働者の交流・共闘を進めてきた出版関連労組交流会議(出労交)の春季集会が予定されています。主婦と生活社労組、論創社など、新たに参加した仲間を加え、毎月の例会や職場交流(「成果主義に惑わされるな」等)、争議現場への集中行動に取り組んできました。会場未定。