学研の中間決算赤字が
30億円に達する見通し!
中間決算の発表(11月下旬の予定)を前にして10月初め、会社は中間期と期末の業績予想の下方修正を発表しました。.
報道によると、04年中間決算の見通しは、売上高が当初より16億円低い310億円、経常損失が10億円拡大して28億5千万円、中間損失は10億円拡大して31億円の赤字だそうです。理由は、「直販事業において学習セット教材(ニューマイティ)の納入遅れなどによる下期への販売ズレ込みに加えて、市販事業においても前期に創刊した週刊百科の低迷、ムック関連本の返品などが響いたためだ。」とされています。驚くことに、会社はこれに対し、「市販事業においては下期には遅れていた新雑誌の発刊やムック本の発刊が期待できる」というコメントを述べ、期末の経常利益は10億円、(マイナス3億円の修正)、最終利益も10億5千万円(修正なし)の利益が確保できる、としています。
ムック関連本の返品で膨れた赤字を、またムック本で挽回できると言っているのだからあきれてしまいます。私たちは、6月の株主総会でも、3月決算の「黒字」の実態がムック本等の乱造で期末に帳尻合わせした「売上(利益)」の計上によるものである点を追及しました。委託販売制度を利用したトリックで、実際には売れなかった分が返本となった後の9月決算の数字こそ学研の「実力」ではないか、と問い質したわけです。
遠藤社長体制の下で、会社再建をアピールしたい会社は、このかん苦し紛れのこの手法で経営黒字化を発表、10年ぶりの配当まで出したわけですが、窮状は明らかです。
異常な返本率に東販から点数制限を受ける!
学研は、このようにムック本の出版点数と返本率が異常に多いので、取次の東販から9、10月の出版点数を制限されたそうです。宝島社につぐ、ワースト2位とのことです。それでも性懲りなく、3月にかけて乱造を狙い、五反田の各雑誌編集部では、またまたムックの新企画を出すように言っているのです。今中間で30億円に膨れあがった赤字は、こうしたゴマカシの施策がもはや限界に来ていることを示しています。
しかし、残念ながら週刊百科も低迷、この秋の新雑誌とは「おはよう赤ちゃん」(ネーミングからして「おはよう奥さん」の流用か?という感じ)では、ますます既刊雑誌の焼き直しのムック依存症にはまっていかざるを得ないということでしょうか?
職場では、労働過重に不満の声
経営陣のこんな無策ぶりに労働者はいつまでも黙って従うと考えているのでしょうか?当然、現場へのしわ寄せは労働過重を生み、労基署からの指導を受けて残業時間削減を目的にしていたはずのIDカード導入もさしたる効果はなかったようで、ムック本制作は外注でやっても社員も雑務に追われ、夏休みも9月にずれ込んでもまともに取れなかったようです。取次からも社内の現場からも乱造に批判の声が上がっている状態です。IDカード、そして不明朗な退職金ポイント制は共に廃止すべきです。
業績予想下方修正で株価も下落
会社の「業績V字回復」キャンペーンで市場を欺くやり方も、ここへ来て馬脚を現し、株価も下落してきています。今春から夏へかけて300円まで上げてきたのが、特に中間決算予想修正以降急落し、また200円を切ろうかという低迷ぶりになっています。
焦りを深めた会社サイドは、株主総会でも取り上げられたGIC等の不祥事(高額教材押し売りの悪徳商法やセクハラ事件)へのネット上の批判にも過敏な反応を見せています。ヤフーファイナンス学研株主掲示板の常連の書き込み(膨大なコピーだが)につき、この常連に特定して削除要求が行われ、実際かなり強引な削除がされています。これは、かえって会社の暗部を印象づけ、また学研側の者が削除要求を行っているとの批判が浴びせられています。私たちも株主総会で、ネット上の批判にどう向き合うのか質問しましたが、全く、「誠実」とは逆の向き合い方を会社はしているのです。その間にも、連日、学研の悪徳商法につき消費生活センター等に駆け込み相談した被害者の若者たちからの学研批判が2ちゃんねるなどでくり返されているのが最近の状況です。
秋季闘争で経営陣を追及、争議解決を迫る!
9・22学研社前行動
出社役員を追及!
ふじせ闘争は、秋の現場行動に入っています。9月22日には秋季第1波の闘いとして、朝8時過ぎから本社前に赴き、朝ビラ(「パルス」9・22号)を配布すると共に、出社してきた役員一人ひとりに争議解決を要求しました。
この日は、安田取締役、小林取締役、太田取締役、富樫取締役をそれぞれ追及しましたが、彼らはいずれも、団交申入書を受け取るように求めた私たちに対し、下を向いて何も答えられず、ガードマンに抱えられるようにして私たちの前から逃げ出し、構内に入っていったのです。その背中に抗議のシュプレヒコールが浴びせられました。
その後、会社前に座り込み、「学研の倒産攻撃を許さない」等の横断幕を掲げ、また「創業60周年企画」を募集している会社の動向、株主総会で全く嘘でたらめの回答をしていた減損会計をめぐって、五反田への移転が「喫緊の課題」としている遠藤社長の言動等に関してマイクで職場に向けてアピールを行いました。そして、ふじせ争議の解決をはじめ、悪徳商法、著作権侵害事件など懸案事項を放置して、本社移転も経営再建もないことを学研経営に突きつけました。
安田取締役を追及
10・16学研社前行動
会社側全門閉鎖で混乱の対応!
この日は昼休みの時間帯から学研社前で座り込み・抗議とマイク情宣を行いました。役員らは、私たちに追及されることが分かっており、社内から外に昼食を取りに出てくることはありませんでした。マイクアピールでは、中間決算の下方修正の点などをめぐって訴え、経営陣にふじせ争議を解決するよう決断を迫りました。
午後1時過ぎから、団交申し入れ行動を開始、私たちふじせ労組と支援共闘会議の代表が玄関脇の受付まで行くことさえ阻み、構内に一歩も立ち入らせまいとして、会社側はすぐに正面の鉄柵を閉ざしてしまいました。他の2カ所の出入り口も鉄扉が閉められシャッターも降ろされて、一切の出入りが出来なくなりました。私たちは郵便センター口へ回り、団交要求を継続しましたが、ガードマン4名、総務社員1名が閉ざした鉄扉に内側からはりつき、取り次ぎも拒否する不当な対応でした。
来客、社員等の多くの人が会社の外や構内に取り残され、滞留しました。やがて10分近く経って、ガードマンが鉄扉を開け、私たちを排除し他の出入りのみ確保しようと力づくで押して来るなどしてきました。私たちは「すべての出入口を開放し、私たちの代表を受付に通す、そういう当たり前の対応が何故できないのか」「責任者が降りて来て、応対しなさい」等の抗議の声を上げました。会社は、これに耳をかさず、10分、5分と間隔を空けて、ロックアウト対応と扉の一時開閉をくりかえしました。「こんなことをしている会社の状況じゃないだろう」という声も聞こえてきました。
団交申し入れに会社は全門閉鎖(正面口) 郵便センター口で団交申し入れ
連帯・共闘の報告
9・30南部交流会集中闘争=品川臨職闘争29周年
庁舎前集会・区長宅抗議デモを打ち抜く!
9月30日、品川区の臨時職員佐久間さんの解雇撤回を要求する区庁舎前の集会が夕方6時15分から行われました。昨年秋出された地労委命令の成果等につき、前号でも報告しましたが、現在、中労委での再審査が開始され、名実共に勝利命令をかち取るべく闘っています。この日、集中闘争を設定した地元=南部地区労働者交流会のメンバーをはじめ、全都からも多くの仲間が集まり、当該からの発言、連帯・杉並、連帯・渡辺工業、人権と教育を考える品川の会から連帯挨拶、南部から4・28連絡会が決意を述べて、デモに出発、約90名の結集で庁舎前〜大井町駅前〜青物横丁〜品川警察署〜海岸通りを越えて区長宅マンション前を通って力強い抗議行動を展開しました。
10・19争団連統一行動=3現場貫く闘いで
大地・大崎局・渡辺工業に解雇撤回を迫る!
地域合同労組の連帯大地、連帯渡辺工業がかち取った地労委勝利命令、全逓4・28連絡会がかち取った東京高裁勝利判決については、前号で報告しました。
全都の争議団が加盟する争議団連絡会議の秋の統一行動として、これら命令と判決を履行して争議を解決せよと迫る現場からの闘いが10月19日に展開されました。秋の長雨に終日見舞われましたが、多くの仲間が結集し、千葉にある大地の市川センター前、そして西五反田の大崎郵便局前、茗荷谷の渡辺工業本社前を貫く3連発で抗議行動・集会を開催しました。いずれも解決の決断を迫り、力強い闘いでした。
南部交流会の集中闘争今秋第2波としても設定された大崎郵便局では、争議団・地域の職場の仲間、南部労組の仲間、郵政職場の仲間など57団体90名の結集で闘われました。窓口前を2本の横棒で塞いで、管理者数名が監視ピケットをはり、労働運動弾圧を専門にしている警視庁公安2課が周囲をうろつき回る中、団交申し入れ行動に続き、集会を打ち抜きました。連帯挨拶を三合労ケミカルプリント分会、渋谷のじれん、渡辺工業から受け、全逓新東京、南部交流会、そして4・28連絡会が「処分撤回・原職奪還」への決意を述べ、1時間半にわたって当局を圧倒する行動を展開しました。
11・26出版関連労組交流会議 秋年末討論集会
テーマ「成果給・成果主義に惑わされるな」
11月26日(金)午後6時30分〜 報告:ダイヤモンド社労組、ほか
文京区民センター(都営三田線「春日」駅上、丸の内線「後楽園」3分)
12・3南部交流会集中闘争=4・28反処分闘争
向島局団交要求・集会へ!
12月3日(金)午後12時30分〜14時 向島郵便局(京成「曳舟」6分、東武「曳舟」3分)