6・29学研株主総会で
        経営陣を追及!

肝心な点には答えず、ごまかしをくりかえす答弁
                                  (質疑応答一挙公開)



 6月29日、学研第3ビルで第58回定時株主総会が行われました。今回も私たちは、質問権を行使しての会場内での追及と会場前で株主・3ビル労働者へのビラ(質問書掲載)配布、マイクでの訴えを行いました。
 総会は、昨年の、暴力労政を担った高橋孝太郎元常務や一族の古岡孝元常務への退職慰労金問題や長年の経営不振に対する会社の見解・姿勢の表明方法等をめぐって紛糾し、総会屋系株主や社員株主の野次が激しく乱れ飛んだ57回総会に比べると、少し静かな総会となりました。しかし、ふじせ争議、経営の体質が改善されたのかどうか、相次ぐ不祥事、労務政策と社内の士気など職場の実態、等々の問題が山積しているにもかかわらず、正面からこれに向き合うことなく、肝心の質問への回答をはぐらかす経営の姿勢は全く変わっていないことが明らかとなる、なさけない学研の株主総会でした。一般の株主の方からの質問もありましたが、学研が抱えている問題を真に解決し、今後の方向に確信が持てるようなものとはなりませんでした。
今月号では、会場内での質疑応答につき、ほぼ全内容を掲載します。一部、省略し、表現も簡潔にした部分があります(*印は後から付したコメント、役員の敬称は略)。
定刻10時から開始された総会は、型どおり議決権を有する総株主数、監査役会からの報告、遠藤社長による営業報告書、貸借対照表、損益計算書の読み上げを行い、この後、書面での質問への一括回答と質疑応答に進みました。

1、書面による質問への回答(加藤常務)
<役員の報酬および退職慰労金について>
   当期の役員のべ21名の報酬総額は、2億8千1百万円ですが、プライバシーに対する配
  慮から個別開示はご容赦を。なお、退職慰労金制度について廃止している企業が一部あ
  ることは承知しているが、現状、報酬の後払いと位置づけ、廃止する決定はしていない。ま
  た監査役についての退職慰労金の具体的金額については、本日、決議の後、監査役の
  協議で決定される。
<減損会計について>
   現在その兆候の認識はない。また、五反田の本社予定地についての建設着手と減損会
  計について直接の関係はない。
*質疑応答参照、ほんとうに兆候がないのか、明確にしていません。
<恒常的な利益体質の目処について>
   2期連続して12億円の経常利益を確保し、今期も約13億円の経常利益を確保する予
  想であることから判断した。
*決算黒字化の実態と学研のほんとうの実力につき、後記の質疑応答参照
<コンプライアンスプログラムの進捗状況>
   当社では順調に研修を終了し、定期的に委員会を開催し、コンプライアンス意識の浸透
  方法等を協議している。今期はグループ会社にも、浸透を押し進めることを考えている。
*その実態はあやしいものがあります。(後述、質疑応答参照)
<直販部門の売上低迷について>
   販売方法や商品内容について市場にマッチできていないとの認識のもと、それらについ
  て見直しを行っている。また、支社制度の廃止と売上減少との関係については、売上が増
  加している部門もあり、一概に売上減少の原因とは考えていない。また代理店数の変遷に
  ついて、データの残っている8年前と比較すると、約26%の減少。イマジン学園、はなまる
  きっずについて商品内容、価格、販売方法等が複合して不振に終わったという認識してお
  り、今後とも新商品の開発についてチャレンジは続ける所存。
<新規事業について>
   いずれの新規事業領域とも有望と認識している。
<直販部門以外の売上減少について>
   能力開発部門の一部が前期比売上減となっている。
<ペイオフ対策について>
   預金先金融機関の分散によるリスク軽減を基本にしている。
<重要な子会社について>
   子会社関連損失の内訳は、子会社株式評価損8千9百万円、貸し倒れ引当金特別繰入
  損3億9千2百万円、学研ホームスタディに関する子会社整理損3千5百万円。学研イーネ
  ット、ビクトリアファンシイ販売についての整理損はなく、立風書房の合併に伴う損失発生
  はない。学研スクールマネジメントの債務超過額については全額貸し倒れ引当金として引
  き当て済み。同社の業績不振については市場環境の変化によるものであり、法的責任が
  生じるものとは考えてない。これら子会社関連の長期の業績不振については、昨年の株主
  総会でも説明したが、降格、役員報酬の減額、理事職の返上等で一定の姿勢を示してい
  る。また、学研スクールマネジメントは既に営業を行っておらず、最も適切な解散時期につ
  いて検討を進めている。学研GI Cについて解散することを決めたことはなく、抜本的な見直
  し策を実施しており、その効果が出始めている。学研クレジットの取扱高の低下は、与信の
  厳格化に伴う当社のグループ以外の取り扱い高の減少によるもの。
*子会社の不祥事など問題体質につき、ごまかしています(質疑応答参照)
<人事上の施策について、IDカードと退職金ポイント制導入等>
   IDカードは、出退勤時刻の正確な把握およびセキュリティ強化のための導入であり、経費
  節減を目的にしたものではない。また、従業員の退職金についてのポイント制は会社およ
  び従業員にとって将来の退職金額を容易に把握するために導入。ニューライフサポート制
  度の利用者は現在までで8名。
*これら労務施策の会社側狙い、現場サイドの混乱、労働者からの不満・批判など、す
 べてを隠しての答弁です(質疑・応答でも追及しきれなかったので、今後、日常的に問
 題性を明らかにし、追及していきます)。

<厚生年金基金の将来分の返上について>
   会社経営に対する影響は不確定要素が多く確定的に言えないが、経費削減効果は現れ
  ている。従業員にとっての影響は基本的にない。

*代行返上が労働者側に危機をしわ寄せする方法であり、問題点は大ありのはずです
 が、何も明らかにしていません。今後の推移を見ながら、「パルス」紙上でも批判と追
 及を行っていきます。

直販部門の代理店について>
   全般的には代理店取り扱い商品の弾力的運用など。また家庭学習については事業部の
  スリム化、メーカーに徹した施策、代理店の販売強化であり、訪問販売においてはその中
  心的商品であるニューマイティにおける販売施策立案、販売促進、組織強化等の部門集
  中化による挽回を考えている。

<ボランティア用語辞典について>
   一部見解の相違もあるが、記載内容の十分な確認を怠ったために生じたものであり、ご
  心配をおかけしてもうしわけない。
*次の著作権をめぐる訴訟とともに、学研の問題体質を現す不祥事です。質疑応答を参照。
<松谷みよ子さんからの訴訟提起、電子教材についての仮処分提起について>
   いずれも係争中ですので詳細についてはご容赦を。なお、松谷みよ子さんとの訴訟につ
  いて、著作物の権利範囲がどこまで及ぶのかということについてが主要な争点であると認
  識。また、電子教材について現在問題になるような状況になく話し合いを継続している。
<貸借対照表について>
   長期貸し付け金、貸し倒れ引当金のほぼ全額が子会社に対するもの。当期貸し付け金
  の主なものは学研スクールマネジメントに対して55億6千9百万円、学研GICに対して15
  億8千4百万円など。また貸し倒れ引当金の主なものは、学研スクールマネジメントに対す
  るものが54億8千百万円、学研GICに対するものが18億4千7百万円など。
<東京ふじせ企画労働組合について>
   当社はこの団体と労働争議などないので、団体交渉などする必要は一切なく、そのつも
  りも全くない。
  *よくも、こんな恥知らずなことが言えたものです。質疑応答参照。

2、会場での質疑応答
株主A 学習については季刊発行となりましたが、では科学についてはどうなりますか。
大田  科学については基本的な編集方針は変わっておりません。年2回の特別号を設け教
     材を充実したいと思います。教材に力を入れています。
株主B コンプライアンス委員会というのはいつ頃から設置されて、御社の中で、法令遵守に
     ついてきちんと考えて、ある程度の成果を上げているのでしょうか?
      2点目にグループ会社にそういうことを広げていくという予定があるという話でした
     が、代理店とかそういうところもつきあいがあると思うが、そこは? 
岩井  コンプライアンスについては、数年前より取り組みを開始してまして、昨年の4月にコ
     ンプライアンス委員会を設置いたしまして、正式に態勢を整えております。これにより
     まして、コンプライアンス行動を策定したり、社内および関係会社に コンプライアンス
     の考え方を周知徹底することを努めていることと、それから、お取引先、代理店に強
     要はできませんけれど、こういう態勢を敷いたということと、それに対するご協力をお
     願いしています。
株主C  先ほどの質問へのお答えで第5号議案に対するお答えがありましたけれど、新聞
     報道で明らかになっているように退職慰労金については役員としての責任が強く言
     われている。これはこれで学研においては、このかん赤字が続き、責任を持つべき
     役員が辞めるときに、退職慰労金を受け取る、その額も明らかにしないということは
     いかなることか、と。役員の中で会議をする前に少なくとも額については株主総会で
     明らかにすべきではないのか、これがまず第1点です。
      第2点は、直販部門の低迷について先ほどもありました。学研は、この10年以上
     にわたって、売上がどんどん落ち、その落ちる原因は直販の売上が上がらない、そ
     ういうことに起因せざるを得ない、この直販の低迷と今期株主総会で利益体質にな
     ったというストレートな根拠は何か、経営としてどういう戦略を持ってやっているのか、
     ということを明らかにすべきではないのか、この2点についてお答えをお願いしたい。
丸山   5号議案で退職慰労金について付議しておりますが、 当社所定の内規がございま
     す。それによりますれば、在任別の月額報酬×在位年数×在位別の係数が内規に
     なっております。この基準に基づきまして退職慰労金が贈呈されるわけでございます
     が、今回の監査役の退職慰労金につきましては、この総会の終了後、決議をいただ
     きまして、監査役の協議によって決定されるということでございます。
      額を申し上げますれば、2人で3千2百万程度の基準になると思いますが、最終的
     にはこの後の監査役協議で決定されるということでございます。
株主C ふたりで3千2百万、それとも一人で?
丸山  ふたりです。
遠藤   恒常的な利益体質の目処が立ったということですが、ちょっとさかのぼりますけど、
     当社は赤字体質というものに苦しんでまりまして、その体質の転換というものが、ま
     ず一番の急務であったということでございます。それによりまして、まず総コストを圧
     縮するということによって、損益分岐点をさげる、ということがまず第一番の目的でし
     て、第57期は、それでなんとか利益を出すことができ、体質の改善ができたのでは
     ないか、で今期は先ほど申し上げたような状況でございますが、その基本的な方策
     というのは縮小均衡ということでございますので、それにより売上の減少は必然的に
     伴ってきたということでございます。同時にこれは売上の拡大、増収ということを考え
     ていきませんと、これからさらなる利益の拡大ということはなかなか目指せないという
     ことでございますので、当面のこれからの方針はもちろんそういうことを同時にめざそ
     うということですが、いかにして新しい大きな売上を出すかということでございます。と
     いうことを考えますと、直販によって、それをかってのような隆盛を取り戻して、増収を
     図るということにするのは大変難しゅうございますので、また、既存事業の中でもこれ
     から市販事業、教室事業、幼児事業、等においては、これからの拡大というものは望
     めるとおもいますので、それはそうしたような戦略はとらしていただきたいと考えてい
     ただき、同時に新しい事業をたちあげて、要するに既存の事業と新規事業によって、
     新しい売上と利益を創出していくということでございます。目処というのは見通しが立っ
     たということでございますので、それまでの赤字体質を改善できた、分岐点を下げるこ
     とができた、黒字体質というものが望めるようになる、という意味でございますので、そ
     のように是非ともご理解いただきたいと思います。目処というのは見通しが立ったとい
     うことでございます。
*ネックである直販の売上げ低下に対応しうる戦略は、という質問に答えていません。
 また、市販部門の実態につき、後に質問されていることへの回答が全く不十分で、目
 処が立った、という程に学研の実力を示せてはいません。先月号に掲載した私たちの
 質問書でも触れているように、遠藤社長自ら「収益基盤が確立していない」と社内報
 で認めておきながら、恒常的利益体質とはいえないでしょう。  

株主D  ボランティア用語辞典の回収の関係ですけど、これは昨年3月に発行し、11月に回
     収した、ということですね。これは、新聞によると、大阪ボランティア協会の方から、11
     月以前から、内容について誤りがあるという指摘があったということで、しかも、その内
     容については単なるミスというより、用語辞典というわりには6割が記述に誤りがある
     間違えているということで、
遠藤   あの、ご質問は(と遮って発言の邪魔をする。これはふじせ関係者らへの社長の常
      套手段となっている)

株主D  なぜ、そういうことになったのかをお聞きしたいんですね。それから、実際に回収し
     たわけですよね。いったい、何部回収したのかということと、そのことによる損失はど
     れ程だったのかについても聞かせていただきたい。
大田   ボランティア用語辞典ですが、ボランティアの用語というのが社会状況の変化によっ
     て、法体系も変わり、用語の使い方も一定していない面があり、難しい部分がありま
     す。 従って、あの、各識者によっても見解の相違というものが相当あるという分野で
     す。ただし、今回に関しましては、明らかな誤りというものも相当数ありましたので、こ
     れは、全くこちらのチェックが不十分であったということで、大変申し訳なく思っており
     ます。これを回収して、いま、新版をつくる作業を進めております。新版も、部分的な訂
     正ではなく全面的に作り直すということで、時間がかかっていますが、できるだけ早く
     完成させたいと考えております。
   (「答えになってないじゃないか」。「部数、部数」。「何故か、と聞いてる」の声)
大田  部数は、図書館を中心に2千部ほど出ておりますが、殆ど回収が終わっております。
   (「損失は」の声)
株主D  損失はどうですか。13頁に損益計算書が出てますが、この中に出てますか?
遠藤  小林取締役がお答えします。
小林  返品の金額ということですか?損失ですか?
株主D 損失です
小林   損失については、他社の業者との関係もございますので、ご容赦願いたいと思うの
     ですが
    (「返品額は?」との声)
小林  この件については、同業他社との関係もあり、ご容赦願いたいと思います。
    (「同業他社はいないぞ、ここに」の声)
遠藤  数字については、ご容赦いただきたいと思います。次の方、どうぞ。
 *株主に対する情報開示の視点が全く欠落していることがうかがわれます。以前に
  指摘したように、相次ぐリストラで現場への極限的しわ寄せが生じていることの結
  果、この事件は起きてきているものと考えることができます。

株主D  いまの関連ですけど、新しいのを出すと言われましたよね。これは、何故そうなった
      のかという原因がはっきりしないと、また同じことになるんじゃないかという不安があ
      るんですよ。
遠藤  いまお答えしたはずですが。(遠藤さんのごまかしもひどい、何も答えていない)
株主D  新しい態勢でつくるといってるが、編集の仕方も問題があった、監修も駄目だった、
     行き届かなかったということがあるわけでしょ。何故、そうだったのかを聞いているん
     ですよ。
遠藤  ただいま、お答えしたと思いますが。
株主D  監修者は?、どういう風に態勢が変わったんですか?
大田  今回、相当時間をかけて、著者も専門家を集めまして、責任体制をとってやっていこ
     うと、チェック態勢も2重、3重に敷いてやっております。
株主D  それは、人員削減とか、社内の体制の弱まりというのがあるような気がするんです
     けど、これに止まらないで、先ほども出ていましたが、係争中の松谷みよ子さんの絵
     本、これ差し止めの仮処分ですか、(遠藤「質問は?」とまた妨害)、それが2千何百
     万という損害賠償請求、もうひとつさらに電子教材の関係で、これもまた著作権の侵
     害ということで、請求が出ていますよね。これは同じような関連で昨年、東京地裁で
     負けている件があるんですが、電子教材ということでは初めてということですけど、学
     研で相次いでいるわけです。
遠藤  書面でも先ほど回答しましたが、それと違うことで何かあるんですか?
株主D 電子教材も松谷みよ子さんの件でもそうですが、争っているけど、裁判で負けるとい
     うこともあり、損失が生まれるということもある、だから、そのことを株主にきちんと説
     明する必要があると思うんですよ。何故、そうなったのか、ということを
遠藤  ただいま、それについては誠意を持って対応させていただいておりまして、それに対
     する結論は出ておりません。損害出たらどうするか、という仮定の質問については、
     それに対する回答は申し上げかねると思います。
株主D これは不祥事でしょう。答えなさいよ。
遠藤  次の方、どうぞ。(と逃げてしまった) 
 *電子教材の著作権をめぐる訴訟についても、話し合いが進行中で問題はない、と
   の回答をしていますが、いきなり、訴訟を起こされるはずもなく、実は、2年間もの
   期間にわたって学研側ののらりくらりの対応が続いた結果の訴訟ということらし
   いです。CAIスクール筋の情報では、現在訴えられた国語教材については、配信
   停止となっている様子。学研CAIスクールでは、これまでも、競合する同一エリア
   内にいくつも教室を開設させて、競争で潰れても高いロイヤルティをぶったくれる
   という学研側の運営姿勢に教室オーナーたちが怒り、ある県のオーナー連合対
   学研のトラブルに発展したことがある等、問題が起きていますが、今回の事件も、
   国語教材配信停止は、教室オーナーが一方的に損害を強いられるわけで、学研
   側の契約条件違反に抗議と補償請求の声を上げてしかるべきでしょう。学研は、
   著者と教室オーナーの両方に配信ならぬ背信行為をやったと責められても仕方あ
   りません。
株主E ちょっと私、出版事業ってこと分かっていないところもあると思うんで、とんでもない質
     問になるかも知れませんが、直販と市販とあって、市販の場合、学研の方から東販
     とか日販とかに渡せば、そこで売上が立つんですか? 
遠藤  そうです。質問は市販と直販の違いですか?
株主E いや、市販の場合、東販とか日販に商品を納めた段階で売上が立つんですね?
遠藤  そう、そうです。
株主E 直販の場合はどの段階で立つんですか? 
遠藤  あの、代理店さんに商品を納めた段階で売上が立ちます。
株主E この3月決算ですから、日本の場合は4月から新学期というのが、ごく普通ですよね。
     2月、3月、出版関係というのは忙しくなって、辞典だとかそういうものが動くわけで
     す。100億円分くらいボーンと渡せば、2月、3月100億円くらい売上が立つわけで
     す。4月、5月売れないで返ってきた場合は返品になるわけで
遠藤  あの、もちろんですね、相手との関係で様々あり得るわけで、細野取締役の方から
     お答えします。
細野   いまのご質問で金額的なことは別にしまして、確かに新学期は学習参考書、辞典
     等は当然、一年間の中で一番売れる時期でございますので、その前に送金するとい
     うことはあり得るわけなんですけど、ご質問の趣旨が分からないところがございます
     けど、私どもでは、取引ですので、東販や日販などは日本を代表する本屋さんです
     ので、本を仕入れ、取引が発生しますので、決して出版社の意向だけで取引が成り
     立つものではありませんので、私どもは適正にそのかんの取引をさせていただいて
     いる、ということです。
株主E ということは、9月中間あたりでは大きな赤字が発表されてるわけですね。むしろそ
     っちの方が会社の実態を現しているんではないか、と疑われるんですけど。
小林   中間期の赤字が多いということですが、当社の場合は新学期商品が多いというこ
     とで、どうしても後期というか、下期に商品の出荷が集中いたします。すると利益率
     が高くなるわけですから、中間期の赤字にくらべまして、どうしても下期の利益が多
     くなります。
  *中間期に多額の赤字が出ることの説明にはなっていません。前号の質問書でも
   指摘していますが、売上げ755億円に対し、巨額の売掛金236億円、在庫140
   億円という数字に関連して、事前に「過去の返品率及び返品見込み」「不良在庫」
   の実態につき問い質しているにも関わらず、一切、経営陣は回答していません。
   出版における委託販売制度(特に大手故の特権も加わり)を利用して3月末に売
   上げと利益の数字合わせをしても、数ヶ月後には、返品の山が赤字となってのし
   かかって来るというくり返しをやっているんではないか、という疑いが「公然の秘
   密」となっています。実際、新学期商品だけでなく、社内の市販雑誌部門等では、
   ムック本の発刊等の無理なノルマが現場への号令としてかけられていることが
   労働強化を伴って問題となっています。

株主F  とにかくこの会社も株価が2桁になって、いつ潰れるかというようなやつもいたけど、
     とにかく配当が出るというところまできた、というのは喜ばしいことと思いますが、現
     状で見ますと一応減収増益である、・・・会社の経営を考えると本当は、リストラ、リ
     ストラというのは経営の実績であって、経営の手腕として賞賛されるのはちょっとお
     かしいんじゃないか、とほんとは思っているわけです。ほんとうは、やっぱり、減収に
     ならずに増益にしなければならない、それにするためには必要とする人材もいなけ
     ればならない、というのが本当の筋ではないかと、・・・この先、減収増益が続くとい
     うことで良かった、ということにならないようにしてもらいたい、そのためには、新規の
     ものを投入する攻めの経営を維持して欲しい、だから先ほど、恒常的な黒字の体質
     ができあがったと言われたけど、私はまだちょっと時期尚早ではないかと思っていま
     す。一頃に比べ体質は非常によくなっていると認識しますけど、やはり、もう少し見て
     みないと、ほんとにこの会社が健全になったとはまだ言えない。そのために頑張って
     いただきたい、もう一点は、・・・攻めをしてほしい、どういうことかというと使うべき金
     は使わなければならない、この会社はいままで、使うものは使わない、入れるもの
     は入れると稼いできたけど、そうはいかないこともある、出すべきものはださなきゃ
     いけない、学習・科学を普及させる攻めをおこなう、火をつける必要がある、たとえば
     ディズニーアニメとか宮崎アニメとかは非常に、何故売れてるかというと、面白い中に
     ・・・

  (質問の意味をはっきりさせてください、との場内からの声)
     いいじゃないの、少しくらい時間がたっても、まだ11時前よ、いいじゃないですか。
遠藤   簡潔にお願いします。
株主F  何が基調にあるというと、ヒューマニズムというのが基調にあって受け容れられて
     いる、学研というのも、教育というものが基調にあって、「あの会社があってよかっ
     た」という会社になってもらいたい。
  *学研には、そこに働いている者、関連・取引先等への対応を見ていると、とても
    ヒューマニズムというものが基調にはなり得ない、この株主の期待と応援には
    とても応えられない現状というものを感じてしまいます。

遠藤   大変ありがとうございました。 
株主G  株価が上がったことを評価しています。第2号議案に関連するが、どちらかという
      と施設向けの事業が言われていますが、少子化の中、高齢者向け事業を進める
      ことにつき、・・・市場調査を行って、取り組んでもらいたいが、お考えをお聞きした
      い。
遠藤   定款の変更の内容、ということと新たな市場についてですね。では、まず、前半の
     質問につき岩井取締役から
岩井   今回、定款の変更として取り上げたのは、介護保険に関わる介護サービス事業、
     保育所・託児所に関わる保育事業ということで、事業として新しいものを加えるとい
     うことで、定款の変更を提案させていただいています。いまのご質問・ご意見にあり
     ました、そういう方々に向けた商品の開発・企画につきましては、既に現行の定款
     の中に出版業、出版関連の業態の中で考えうる商品については盛り込み済みです
     ので。
遠藤  後半のことにつきましては、守田取締役の方からお答え申し上げます。
守田  少子高齢化社会を迎える中、高齢者福祉関連事業としてウイルネス事業を立ちあ
    げました。一連の事業といたしましては、大型福祉施設開設時のコンサルタント事業、
    それからもう一つは全国の高齢者福祉施設向けのソーシャルサービス事業、在宅介
    護者向けのソーシャルサービス事業、それとともに健康関連のヘルスケア事業、この
    4つを柱としてスタートしたところです。今後大きな事業として育てるべく展開しており
    ます。よろしくお願いします。
株主G  私が申し上げたのは、健常者の高齢者向けの事業のことで、
遠藤   先ほど岩井の方からお答えしましたが、定款変更でなく、従来事業の延長の中で
     高齢の健常者対象の商品開発を進めているところです。さきほど、言った市場調
     査についても現在進めているところですので、今のご意見も参考にさせていただき
     たいと思います。
株主H  直販の中で文教事業についてお尋ねしたいと思います。この中で書かれている
     財政の悪化とかは今後も好転の兆しはなかろうと思います。その中で、御社として
     は事業継続で行くと思いますが、事業継続に当たって、大きな商品の開発と言い
     ますか、現場に大きなインパクトを与えるような事業展開を考えているでしょうか?
加藤   まず、教材予算は一般財源の措置としてなっておりまして、これが減っております
     ので、予算減が大きく響いているということです。合わせて、あの、行政の方の購
     入形態も変わり、そのことも現状響いております。今後は、公的な予算に左右され
     ない事業構造の改革を進めて行く中で、強みのある、スキルのある当社が持って
     いる、そういったものを前面に出して、強化を図り、構造改革を進めていきたい、と
     考えています。
株主I  5頁の会社が対処すべき課題として、まず既存事業につきましては商品の内容
     や販売チャンネルを見直してまいります。ということが書いてあるのですが、どのよ
     うに今後見直されるのか、できましたら具体的にお答えいただきたい。
守田  家庭学習・訪販は、その置かれた環境が厳しいものがあります。少子高齢化とか、
     個人情報の取り扱いの難しさとか、それから訪販アレルギー等々ございますけど、
     やはり小社のアイデンティティでありますK・Gにつきましても、なかなか歯止めが
     かからないわけです。そういった商品を、供給するということを第一義に考え、事
     業部体制をスリム化しながら必要最小限の機能を残して、いま、思い切って改革
     を進めている段階です。それと共に売上の少しでものアップということで、2〜3年
     前から新販路の開拓ということで、たとえば、科学、学習、はなまるとかの商品に
     ついても大型書店であるとか量販店とか、生協であるとか、そういった販路の拡
     大をしながら、商品の安定供給に努めている段階です。
遠藤  これにつきましては、いろいろジャンルがございますので、何かを指定して
  *この後、予定していた質疑応答のように、遠藤社長が、幼児教育、市販雑誌、学習・
   科学につき、担当取締役を指名して、説明させる(略)。

株主J  いろいろあるんですが、いままで出された、これからのことを実現できるのかどう
     かに関わってくることとして、学研に起こっている問題の解決姿勢ということにつき
     質問したいと思っています。
      学研ライフの新年号で、毎年遠藤社長は年頭所感を書かれているわけですが、
     今年は、この中で、学研の業績は、世の中の好不況というより学研固有の要因と
     いうものが大きいと言って、その中で、固有の負の要因は排除して、是正すべき
     は是正して正の要因に変えていかなければならない課題を抱えています、という
     ふうにおっしゃっているいるわけですね。この固有の負の要因、排除すべきは排
     除する、ということについて具体的にはどういうことを考えているんですか?
遠藤   具体的にはちょっとあれでございますけど、会社というのは時代の環境の中で
     必ずしもマッチしないものがあろうか、と思うんです。学研という会社も、そういう
     ふうな時代に合わなくなってきているものもありますので、そういう点で環境と必
     ずしもイコールではない、という意味で、それで、もう一つそれは、歴史的なもの
     ですから、一つの流れというものがありましてその流れを断ち切るというのは難
     しい面もあろうかとおもいますので、そういったものは断ち切るところは断ち切っ
     て、新たな展開をめざしていく、というようなことです。
株主J  いまひとつ具体的でないんですが、学研固有のと言ったときの固有というのは
遠藤   世の中の環境に合わないものが出てきている
株主J  それは何故かということまで含めてね、掘り下げていただきたいんですけど、
     これは質問の前置きで、学研の問題解決姿勢ということにかかわってですね、
     先ほど質問書で出していることに対する回答が全く納得いかないので、お聞き
     したいと思っているんです。ひとつは、東京ふじせ企画労組との労働争議に関し
     てということでお聞きしたんですが、はじめて労働争議ではないんだ、ということ
     を正式に回答されたかなとおもうんです、で、団交に応じるつもりはないんだと、
     解決するつもりはないんだ、とおっしゃいましたよね。これについては、東京都労
     働局の資料などでも東京都における労使紛争ということで掲載されているわけ
     です。
遠藤   ご質問を
株主J  ですから、そういうことを客観的に争議になっていることを、学研の一方的な言
     い方で、争議ではないからという言い方で向き合おうとしないのは何故かという
     ことについて、お聞きしたいんです。それについては今までのおっしゃり方では
     経営事項ではないからということでしたよね、それから昨年は、
遠藤  質問は
株主J  ですから、昨年は法の判断に従うということも言われましたが、裁判でも二つ
     の判断が出されているんですよね。学研の使用者性を認める判決も出されてい
     るわけです。そういう中で何故、争議ではないという言い方で解決しようとしない
     のか、これについてお尋ねしたい。
岩井   お答え申し上げますというよりは、ご説明させていただきたいと思います。東京
     ふじせ企画労働組合に関するご質問は、本日の目的事項と無関係でありますけ
     れど、会社の前で集会やビラを配ったりということがありまして、何もごぞんじない
     株主様もいらっしゃるかとおもいますので、ひとことご説明申し上げます。 この団
     体は当社の一部の編集部が約30年前に編集制作業務を委託しておりました編
     集プロダクションのさらにまた子会社の社員が結成した組合です。この組合は構
     成員が所属していました会社の経営破綻にあたり、当社が使用者であるので団
     体交渉に応じろ、などと全く独自の理論構成をもって、長年にわたり当社に団体
     交渉要求なる要求をしております。これらの行動は本社だけにとどまらず、当社
     社長の自宅や当社関連のイベント会場などにも及びはなはだ迷惑をしておりま
     す。(昨年の高橋孝太郎答弁そのままの読み上げなので、中略)この団体は最
     高裁判所の決定後もなお、同様の行動を継続しておりまして、まさに異常と考え
     ます。(異常じゃないよ。異常とはなんだの声)
      当社では、このような団体の要求に対して法の判断に反して団体交渉や金銭
     の支払い要求に応じるつもりはさらさらありません。仮にも団体交渉に応じたり、
     金銭の支払いを行うことは株主の皆様の利益に大きく反するものです。このこと
     は全取締役の強い決意であることを申し添えておきます。(一部社員株主「了解」
     のかけ声と拍手、異議ありの抗議の声)
  *岩井さんよ、東京ふじせ企画は何故、経営破綻したのか答えられますか?学
   研が、100%学研の業務で成り立っていたこの会社から、業務を総引き上げ
   したからですよね。学研が本社内の全学研労組との泥沼の争議に突入する
   過程で、全学研労組員の仕事を干すために、基幹雑誌「科学」「学習」の編集
   業務を取り上げて、下請けに回し、かつ安い経費で仕事をさせていたが、その
   下請け会社の中(労働者のいないトンネル会社=ふじせ企画とその下の東京
   ふじせ企画に2重化されていたが)で5年後に組合結成という事態が起きたこ
   とに対し、(組合は下請経営者への要求を出し、話し合いを初めており、このと
   き学研とことを構えようなどという気はなかったのに)全学研労組弾圧政策が
   破綻することを怖れて焦った学研経営がこの下請労組を潰そうとして、35名
   が行っていた「学習」・「科学」の編集業務  を総引き上げしたわけです。この
   ことで、学研に業務再開のために交渉を要求することが、何故、「全く独自の
   論理構成」なのですか?全く当然の筋道でしょう。

株主J   昨年の高橋元常務の回答文をそのまままた読み上げるということをやったんで
     すが、同じ時間をかけてこちらも言いたいところだけど、(議事進行の社員株主の
     大声)できるだけ簡単にお聞きします。いま、株主は解決を望んでいない、という
     意味のことをおっしゃいましたが、
遠藤  そのようには申し上げておりませんけど、
株主J  それに類する言い方されましたよね。インデックスというところと提携されました
     よね。私たちはインデックスに申し入れに行き、この争議の説明もしました。イン
     デックスは、学研とふじせ企画労組との問題については解決が図られることが
     望ましい、と言っています。これが普通の常識的な対応なんです。私たちの主
     張の一部が裁判で退けられたにすぎないわけで、(遠藤「あの質問は何ですか」
     と執拗に妨害)
、争議は現在当然続いているにもかかわらず、争議がないという
     言い方をされるというのは理解できないことなんですよ。
遠藤  お答え申し上げたとおりです。総会の目的事項とは異なることなので、お答えで
     きないです
株主J  全く理解できないですね。では、インデックスのこの発言についてはどうお考え
      ですか?
遠藤   それは、こちらは確認してございませんので、議案に関係ある質問をお願いしま
     す。
  *昨年10月、私たちは(株)インデックスに対して申し入れを行い、管理局長、
   法務部マネージャーが応対した同社側は、「申し入れの内容(当然、インデッ
   クスとしての回答も)」を学研に伝える旨述べています。インデックスがそれを
   怠っているとは考えられませんので、「確認していない」という遠藤社長は大嘘
   をついているということになるでしょう。インデックス側も慎重に言葉を選んで、
   応答していましたが、問題解決を望んでいること、今後、さらに学研との関係も
   深まれば、さらに言うべきことも出てくる、ということを述べていました。解決が
   「株主の利益に反する」などという、岩井総務人事部長の言い逃れは既に破綻
   しています。遠藤社長も、「確認していない」などと言うのはインデックスとの信
   頼関係をも損ねるものであることも省みず、苦しいごまかしをやっています。

株主J   重要な大株主が発言していることにつき、学研としてどう受け止めるんですか、
      とお聞きしていているんですよ。答えてくださいよ。
遠藤  (他の株主を指名) 
株主J  質問に答えてくださいよ。(場内から、「質問に答えなきゃ駄目だよ」「答えなさい
      よ」の声)
遠藤   質問であればお答えします。
株主J  インデックスのこの見解に対し、学研は何故、争議ではないと言い張って、解決
      しようとしないのか、という質問です。
遠藤   あちらの方が質問求めていますので、後ほどお答えします。(と逃げる)
  *遠藤さんは結局、質問に答えられなかったのです。
株主J  ふじせの件だけでなく他にも2点ほどありましたが、また、後で聞きます。
株主A   先ほど社長さんがおっしゃったとおり、科学というのが学研そのものと私も思っ
      ています。それで、アルゴや月刊誌「科学」をほんとに売っていきたいんですよ。
      ただし、大型店ではないから、月刊何十部って売れないんですけど、たとえば年
      間契約を何軒か取ったら手数料をもらえるとか、何か、そういうことを検討しても
      らえるかどうかお聞きしたいんです。
遠藤    あの、どちらで売りたいんですか?
株主A   書店でやれば売れ残りができちゃうわけで、新販売事業でやってみたら、 売
      れ残りができちゃったんですけど、年間契約で学研直送のものを
遠藤    それは株主様が個人的におやりになってるんですか?
株主A   個人的にというか、契約とったら手数料がいくらかと、いまホームページとか載
      せてても、内容が分からないんですよ。
遠藤    あの、では守田取締役からお答え申し上げます。
守田    通販ではやっておりますけど、個人的な形でやって、というような形ではとって
       おりません。
株主A   そんなことは分かっておりますが、今後検討を、ということです。
守田    分かりました。検討しておきます。
株主J   残った2点についてですけど、昨年も質問しましたが、学研の赤字子会社が不
      祥事をいろいろ起こして、その中で経営的にも行き詰まったということで、学研
      スクールマネジメント、学研GICでの悪徳商法と言われたことが、半ば社会問題
      化してインターネットでも書き込みがされて、そのことで一昨年来どうするかとい
      うことでお聞きして、昨年の回答で、調査した結果そういうふうに書かれているよ
      うな事実はない、ということで、これに対しては厳正に対処するということでしたけ
      れど、その対処についての具体的な方針は検討中である、ということで、2年越
      しで未だに検討中ということですが、これについて会社としてどういうふうに考え
      ているか、お聞きしたいと考えています。
遠藤     これは昨年お答えしましたように、我々はそのような事実というのは認識して
      おりませんので、対処というのは、どういうことを言っているのか、よく分かりませ
      んが。
株主J   学研から見ると、「事実に反する」という書き込みがされているということについ
      て、では、放っておくということですか。
遠藤     いや、それについてさらにチェックしてまいりたいと思います。
株主J   チェックはもう済んだんでしょう?
遠藤    事実でないから
株主J   だから学研として事実でない、と認識しているんだったら、どうするんですか、
       と去年も聞いたわけですよ。
遠藤    どういうことですか、どうすれば良いんですか
株主J    それは、こちらがお聞きしたいわけです。学研はどうするんですか?
   *ほんとうはどうすれば良いかは明瞭です。学研が悪徳キャッチセールスの事
    実を認め、学研クレジットと共々、その責任を踏まえ被害者達に保障と謝罪
    を行うことです。何らかの誠意ある対応がない限り、現在もGIC関係で批判
    の書き込みがされていますが、これからもそれらは続くことと思われます。

遠藤    岩井取締役の方からお答えもうしあげます。
岩井    いわゆるインターネットにおけるチャット等の掲示板のことを言っておられるん
      だと思います。そういうものに対する対応が法的にはかなり難しい部分がござい
      まして、明らかに特定の個人を誹謗しているような場合には、その主催者側が
      削除に応じてくれることがございますけど、それ以上のことは現状では不可能と
      認識しております。
株主J   非常に不十分な回答だと思うのです。会社として名誉毀損にあたるとか、でい
      ろいろ検討中であるかのような昨年の回答だったのですが、事実であるという
      ことにつき、会社として反論できないのだ、というふうに受け止めます。
    (遠藤社長、もごもごと言い訳する)
       それから、3点目ですね。先ほど、回答がありましたけれど、西五反田の土地
      について減損会計が適用になるという兆候はない、というお答えでしたよね。西
      五反田の土地、簿価で80億くらいで計上されているんでしたか?
遠藤    いえ、違います。
株主J   いくらですか。それに対して時価ではいくらなんですか。
    (遠藤社長、答えない)
       その差を穴埋めできる利益が、あの土地の使用で埋められる状態になってい
      るのか、お聞きしたいんです。
遠藤    小林取締役がお答えします。
小林    減損会計は、あくまで時価会計で見た取得原価の修正だということで、そうし
      まして五反田の土地というお話なんですが、減損会計の適用の用件というのは
      いくつもあるんですが、五反田の土地については、最も著しい地価の下落が生
      じた場合は減損の兆候があるということなんですが、そういう状況ではない、と
      いうふうに当社では考えています。
株主J   じゃあ、損失処理の見込みはない、ということですね。
遠藤    (それには答えず)、他に質問がございますか
株主K   昨年も質問いたしましたが、コンプライアンスプログラムのことでお聞きします。
      今は退任された高橋孝太郎さんが、私の質問に対し長時間答えていましたが、
      そこを改めて喚起しながらお聞きしますが、既にコンプライアンスの実施につき
      ましては、事前に提出した質問書への答えで回答が一定なされていたと思いま
      す。子会社等で研修を実施しているということなんですが、 昨年の質問とも重な
      るところなんですが、コンプライアンスプログラムは、単に法律上の条文について
      遵守するということを越えて、平たく言えば、家に帰って家族に自分のやってる
      仕事を堂々と説明できるか、ということを学研ライフでコンプライアンスについて
      簡単な説明をやっておりますけれど、その点について、企業が利益体質を図る
      ということを自己目的化して、これはやってはいけないということを業務命令とし
      て出された場合でも、それについては拒否をすることができるんだ、ということを
      含めてコンプライアンスだと思うんですけど、そういうことを含めて、いま子会社を
      含めて、コンプライアンスの実施の内容ですが、先ほどの報告では、そういう点
      について、つまり仏つくって魂入れず、というか、魂の部分についてコンプライア
      ンスがどれだけ浸透しているのか、・・
遠藤    (遮って)関連会社で、どうかということですか
株主K   つまり趣旨がどれだけ浸透しているか、学研ライフに書いてあるようなこととし
      て、どれだけ浸透されているのですか。
岩井    いまの質問は最初の方でご質問いただいた方と重複するかと思いますが、社
      内にコンプライアンス委員会を設置したことと、日本語でいう綱領、コンプライア
      ンス行動を設定いたしまして、様々なステーツホルダーに対して、どのような姿
      勢で臨むのかということを、とりあえず学習研究社社内においては徹底しており
      ます。で今年それをグループ内の関係会社にも浸透させていくということで進行
      中でございます。
株主K   関連で。では、その場合、利益体質優先ということ、たとえば牛肉偽装事件
      というのがありましたが、どこの牛肉だろうと、同じ牛肉だから構わないじゃない
      か、と考えて、たまたまばれてしまったということに、そういうことを考えるのに、
      それはたいした問題じゃないと考えるのか、社会的に(遠藤社長、「質問を」とさ
      えぎる
)、そういうことが業務として適切になされているのかを市民的に考える
      のか、常識をわきまえて欲しいというのが、コンプライアンス導入の意図ではな
      いのか、と思うんですが、それとの関係だと、ちょっと答えがずれていると、私は
      思っているんです。答えが不十分ですけど、次に移ります。
  *コンプライアンス(企業の法令遵守)については、昨年も学研の姿勢がそれを
    空洞化させるものであることを批判し、質問しました。進捗しているかのよう
    な説明ですが、会社側のこうした姿勢に対して、労働者の側は冷ややかで、
    「社員の誓約書」取り付けに失敗し、このプログラムは実態的には進行して
    いない、という話が伝わっていますが、会社の説明では異なっています。

      次に退職金制度の改定についてですが、ポイント制度に改めるということなん
     ですが、退職金制度にポイント制度を導入するということの本当の意図は何なん
     ですか? 
遠藤    先ほどご説明したとおりですけど。
株主K   いや、それじゃ、非常に理解に苦しむから言ってるんです。
遠藤    先ほど、申し上げたとおりです。
     (ちゃんと言葉で言ってください、不十分でしょの声)
      何が足りないのか。
株主K   退職金制度は従来から言えば、こつこつやってきたか、いい加減にやってき
      たか別にして、勤続年数ということが基本に対してね、ポイント制を導入すると
      いうことが今後の会社運営にとって、この会社にいて・・
遠藤    あの、先ほどお答えしたとおりでございます。
株主K   ちょっと待って、具体的に各論的に聞いているのは、時間の関係で、2つの
      各論についてお聞きします。利益体質の確保が至上命題ということは株主総
      会で毎年言われていますが、その利益を確保するのに人的な資産が基本であ
      る出版企業において、教育事業において人の能力をいかに生かすか、こうい
      った点について適切な労務政策が貫徹されているのか、退職金のポイント制 
      度がそういう利益体質を引き出すものになっているのかどうか、コンプライアン
      スシステムというのは、ある意味では利益が至上命題にならない場合もある、
      社会的に妥当とされていることを、業務命令としてそういう観点に立っているの
      かどうか、ということです。
遠藤    質問の趣旨がわからないんですが、何が
株主K   人を雇う雇い方と、そこにおける労務関係というのが、とりわけ出版事業体
      にとっては一番大きな要素だと思うんです。そこにおいて、働く人たちが働きや
      すい環境をつくったり、人的能力を充分に発揮できるような十分な労務的観点
      を、利益体質との関係でどういうふうに考えているのか、ということを考えなけ
      ればならない。
遠藤    おっしゃるとおりです。
株主K   その点についての回答がずれているな、と思って
遠藤    おっしゃるとおりだと思います。
株主K   その点について、社長の方から総括的に答えていただきたい。
遠藤    おっしゃるとおりです。
株主K   おっしゃるとおり?それなら、労働争議が解決しているはずじゃないですか
遠藤    労働争議はないと考えています。
株主K   労働争議がある、なしじゃなくて。東京ふじせ企画労組の人たちが、学研に
       あるデスクで学研の人たちと同じように働いていたこと、そのことは認めるわ
       けでしょ。
遠藤    もうお答え申し上げたとおりです。
株主K   そういうこともずらさないでください。そういうことを解決するということが・・
遠藤    先ほどお答え申し上げたとおりです。
株主K   いや、それでは全く不十分だと思いますよ。
遠藤    見解の相違だと思います。
*都合が悪くなると、回答を拒み、逃げてしまう。今年もそれに終始しました。
株主K   いや、見解の相違ではなく、・・・
遠藤    お座りください。他に質問ございますか。それでは決議事項に移らせていた
      だきたい、と思いますが皆様いかがですか。(社員株主、「了解」の声)

以下、議案を可決 (それぞれにつき、意義あり、質問等の声があったが、「賛成多数」
と一方的に確認)

 1号議案  第58期利益処分案承認の件

2号議案 定款一部変更の件
(1)新しい事業目的の追加
(2)定款第6条に自己株式の取得の規定を新設
*この議案可決を経て、後日、会社は多額の自社株買いを行ったものと考えら
 れ、株価が大きく上昇しました(と言ってもまだ300円に届かない)。


3号議案 資本準備金減少の件
(配当可能利益の充実と自己株式取得などの資本政策のため)

4号議案  監査役3名選任の件

5号議案  退任監査役に対し退職慰労金贈呈の件

11:45終了