学研、業績見込み上方修正、
復配を発表しても疑問の声やまず

 学研関連の皆さん!会社は4月19日、集計中の3月期の業績見込みを上方修正するとともに、7期ぶりの復配の方針を発表しました。それによれば、売上高755億円(連結で995億円)、経常利益は12億8千万円(同23億円)、純利益10億4千万円(同13億5千万円)で、「2期連続で黒字化が実現、将来的にも恒常的に利益を出せる体質へのメドが立った」(経理部)ことを理由に、1997年3月期以来7期ぶりに復配(1株あたり期末3円配当)を実施する方針だそうです。3月決算の見通しについては、
2月に下方修正し、そしてまた上方修正とめまぐるしい動きでしたが、会社が期末にかけて、必死で売上げ増を図ったにもかかわらず、売上高は前期より23億円の落ち込みで、これは修正前の見通しよりもさらに10億円の落ち込みとなっています。結局、売上高は下方修正、利益は上方修正となったのは、会社が言っている「 コスト見直しによる経費削減や、一部投資有価証券を売却したことなど」によるもののようです。また、
保有有価証券の評価損など10億円ほど見込んでいた損失がゼロとなり、それがそのまま、最終利益につながった形のようです。
 自らの首がかかっていた遠藤社長にとっては復配は至上命題でしたから、どんな数字の操作をやっても、また学研労働者にいかに犠牲を強いようとも決算上は利益を出さなければならなかったのでしょう。しかし、株主から聞こえてくる声は、会社が言っているような利益を出せる体質へのメドが立ったなどという受け止めではありません。業績が好転したわけでないことは誰の目にも明らかです。
 株主の掲示板では、「売上高見事に落ちてないか?経費切り詰めなら今期限りだね!
長期ホールドする気なし(笑)」「まあ消費者の学研離れは改善されてないまま、復配が至上命題だったし遠藤さんもこれでお役御免か。そういや子会社爆弾抱えたままだし(藁と言うより鬱」「将来的にそれで利益があがるわけが無い。Bネッセは、今年のボーナスは8ヶ月だそうだ。優秀な人材はどちらを選ぶでしょうか?」といった書き込みがされています。
 経費削減の号令のもとでの学研労働者への犠牲強要(賃金押さえ込み、労務管理強化等)はもう限界ぎりぎりのところまでやっている、という見方も少なくありません。年末に導入した出退勤のIDカード化がこの4ヶ月で「残業費の過払い」防止に役立ち、経営はほくほくでしょうが、現場に混乱を起こし、クレーム続出で従業員組合からさえ経営への申し入れが起きたほどです。厚生年金の代行返上に続き、退職金規定の改悪、出張費の節約(ナビの導入)等々、学研経営はケチケチ作戦でつき進むようですが、不満も爆発寸前でしょう。
4・13南部春季統一行動=ふじせ闘争
学研社前で役員追及行動を展開!
 地域の労組・争議団の共闘組織である南部交流会の4・13春季統一行動の第1弾の現場として、学研社前闘争を行いました。8時から社前に集合。設営を終えてまもなく、安田取締役が出社してきました。直ちに団交要求書の受け取りを求め、シュプレヒコールを浴びせました。彼はいつもより30分近い出社。役員の中にはふじせ労組の追及をかわすために早朝出社をしたむきもあったようです。
 この後、全員で正面口と長原口の2カ所でビラ配布を行いつつ、出社役員を迎えての団交要求の態勢に入りました。8時20分頃、岩井取締役(人事部長)が出社、長原口で追及、団交要求書の受け取りを求めました。ガードマンに守られ構内に逃げ込む岩井取締役に、背後から、そして正面口の仲間からも鉄柵ごしにもシュプレヒコールを浴びせました。同様に、この後、太田取締役、富樫取締役に抗議・追及とシュプレヒコールを浴びせました。いつも出社してくる細野、小林、中山取締役らは姿を見せませんでした。
 9時10分から全体が正面に移動、はりつき態勢で小休止した後、9時20分から小集会を開催。支援共の仲間が司会をつとめ、当該から昨春の最高裁棄却決定をはね返し、この1年間に現場から前進をかち取ってきた闘争経過の報告とこの日の闘いの内容が報告されました。つづいて連帯挨拶として、高森社長を追いつめ、局面の最終的な煮詰まりの中で闘う教育社労働組合、野宿者の追い出し・排除と闘う渋谷のじれんの2団体から発言を受けました。最後に、南部交流会から品川臨職共闘が次の現場行動への呼び掛けを兼ねて決意の表明を行い、社屋にシュプレヒコールを叩きつけ、行動を終えました。
 結集は、28団体48名。早朝から地域・全都の多くの仲間が結集してくれ、力強く役員追及・社前抗議行動を展開することができました。


遠藤社長、また要求書を返送してくる!
3・28社長宅団交申し入れ

 3月28日、ふじせ労組と支援共闘会議は、横浜は弘明寺にある遠藤社長宅に争議解決へ向けた話し合いを開催するように申し入れ行動を展開しました。電話を入れてから自宅に赴きましたが、社長夫人が電話口に出て、外出中との回答。休みの日はいつも、ふだん会えない友人と会いに出かけるそうですが、こちらも遠い所を訪ねているので連絡を取って欲しい旨を伝えても、夫人は「携帯電話をもって出たのかどうか」などと曖昧な返事。
 自宅へ到着し、改めて来意を伝えて、社長が戻ってくることを期待し、しばし宅前に
はりつき、地域にもビラを配布しマイクで争議を解決しない学研の現状につき訴えました。結局、社長は帰宅せず(なのか自宅で息をひそめていたのか?)、団交申入書とビラをポストに入れて辞しました。
ところが、4月8日になって学研の封筒を使って、団交要求書とビラがそのまま送り返されてきました。前回同様の対応ですが、遠藤社長はそんなことをやっている暇があったら、組合事務所の電話番号も記載してあるのだし、連絡をしてくるべきでしょう。
あくまで要求書を見なかった、受け取らなかったことにしたいようです。なさけない。
4・24東京国際ブックフェア
で情宣行動

用意したビラが完配。「学研は、まだ争議やってんの」の声も。
 恒例の出版業界最大のイベント「東京国際ブックフェア」が開催された東京ビッグサイトで4月24日、ふじせ争議を抱えて無責任な対応を続けている学研の現状につき、
広く訴える情宣行動を行いました。この日は一般公開の初日、来場した人々にビラを配布、マイクでもアピールを行いました。大崎駅からりんかい線も開通したので、「国際展示場」駅からの乗降客も多く、「国際展示場正門」駅との両方にメンバーを分け、ビラを配布しました。英文も掲載したので海外から来た参加者にも読んでもらうことができました。また、学研OBの人からも声をかけられ、「学研はまだ、争議やってんのか」「黒川局長がいたのを覚えている」などと話していました。
 この日は、出版産別で同様に争議を闘っている教育社労組、山田書院労組の仲間のビラもセットして配布しましたが、受け取りもよく、昼休みを挟んで1時過ぎまで予定していたビラ配布が30分程早く完配となりました。学研の問題体質を押し隠し、世間を欺くやり方は通用しないという事実を学研経営は重く受け止めるべきです。

春季にかけ社前で連続した抗議行動

 ふじせ労組と支援共闘会議は、1月の26周年五反田デモの成功を皮切りに、2月自分史文学賞受賞式会場前行動を展開し、社前でも4・13統一行動にさきがけての抗議団交要求行動を展開しました。 
2月27日には、朝8時過ぎから学研社前で朝ビラ配布と合わせ、役員に対する抗議団交要求を行いました。8時30分過ぎ、安田取締役に正面口で団交要求書を受け取るように迫り、抗議の声を浴びせました。40分過ぎには、同様に細野取締役抗議(長原口)、45分頃には大田取締役抗議(長原口)を行いました。彼らは、面前に要求書を突きつけられ、態度表明を求められても、うつむいて一言も口をきかずに逃げるようにして構内に入っていきました。


3月18日午後には、天候が急激に悪化し、冷たい雨と風が吹く中、社前での座り込み抗議とマイクでのアピールで学研経営に団交開催を要求しました。

絵本酷似で松谷みよ子さん、学研を提訴

 ロングセラー絵本「いない いない ばあ」(童心社)の作者で、児童文学作家の松谷みよ子さんと絵本画家の瀬川康男さんが3月25日、「酷似した絵本で著作権を侵害された」として、学習研究社と作家に販売差し止めや、約2100万円の賠償などを求め、東京地裁に提訴しました。
 これに対し、学研側は「同様な作りの絵本は多数存在しており、相手側の主張は納得できない」と反論しているそうです。

戻る