1・30ふじせ闘争26周年
学研糾弾五反田地域デモを
130名の結集で打ち抜く!



 学研の下請労組潰しを狙った業務打ち切り=倒産・解雇攻撃から丸26年目の1月、ふじせ闘争は恒例の学研糾弾デモを設定しました。ただし、今年は、これまでの学研本社前集会と上池台・長原地域デモではなく、場所を五反田に移しての闘い。五反田には、学研の各雑誌部門の編集部そして広告・宣伝部が既に雑居ビル数カ所に移転してきており、学研本社移転予定地もふじせ労組事務所隣りに購入しています(当時80億円で買ってからもう既に10年近くが経過、いっこうに業績が回復せず駐車場会社に貸与しています)。私たちの五反田デモ開催予定を知ってか知らずか、遠藤社長は社内報「学研ライフ」の新年号での年頭所感で、総工費100億円をかけ、3年がかりで五反田新社屋への統合移転を行う夢を語っています。もともと雑誌編集部担当の取締役としての遠藤社長のおひざもとでは多数のフリー労働者が契約条件改悪等の使い捨て策にあえぎ、私たちは、地域合同労組の東京南部労組と共同での情宣を行ってきています。学研の「経営戦略」と経営基盤に焦点を据え、ふじせ争議の存在を学研および関連労働者に強くアピールする狙いから、私たちは初の五反田デモに取り組みました。
 集会場となった大崎第一区民集会所も1月にオープンしたばかりの新館で、第1・第2集会室ぶち抜きで計125名収容可能な部屋に午後6時15分過ぎから次々と地域・全都の仲間が結集してきました。ふじせ闘争支援共闘会議の仲間の司会で6時20分に開会、シュプレヒコールの後に、まず当該=東京ふじせ企画労組から基調報告が行われました。このかんの闘いの経過は既に呼びかけ段階で報告しているので省略として、年が明けてからの学研経営の動向が紹介されました。経費削減と数字合わせの売上高達成で3月決算赤字をなんとか避けようと必死になっている学研経営は、退職金制度改悪・出退勤のIDカード化(これは既に12月から実施)、厚生年金基金の代行返上等を進めようとしているが、IDカード化が現場の混乱とクレームを増大させているように、賃下げ・労務管理体制強化は学研労働者の不満を増大させつつある。ふじせ闘争は職場状況に切り込みつつ、26年という争議長期化を無駄にしない蓄積とマンネリを排した新たな闘いへの挑戦を試みつつ、五反田デモを設定した位置づけを述べ、今年第1弾の集中闘争を起点に全争議団闘争勝利へ向け共に闘っていきたいという抱負が明らかにされました。続いて、連帯挨拶を争議団連絡会議(旭ダイヤ)、渋谷・野宿者の生活と就労保障をかちとる自由連合、同じ学研資本下の全学研労組、そして、全国の争議団の中からこの日結集してくれた福岡合同労組網中闘争委員会から受けました。
 決意表明は集中闘争としての取り組みを行っている南部地区労働者交流会(品川臨職共闘)、出版関連労組交流会議(廣川書店労組)から、そして、最後にふじせ闘争支援共闘会議から行われました。支援共からは、この闘いや各争議が長期化に抗して闘われている意義が述べられ、全体の大きな拍手で確認した後、シュプレヒコールをあげ、デモに移って行きました。
 外は、かすかに小雨がぱらついていましたが、デモには支障なし。会場前から山手通りに出、高速道路をくぐって、大崎郵便局前では全逓4・28連絡会の反処分闘争勝利に向けたシュプレヒコールを目一杯叩きつけました。続いて、西五反田1丁目交差点を左折、とい面にある学研カメラ雑誌等の編集部、学研クレジット等が入るビル、さらに学力開発事業部、そしてその並び奥にある日本ブリタニカ(解雇争議中)に届くように学研糾弾のシュプレヒコールをあげるというなかなか忙しい展開。さらに五反田駅前方向へ進んで右手に学研女性誌編集部・広告局等が入るビルへシュプレヒコール、目黒川を渡ってから川沿いに右折、ここで一方通行で切り離された街宣車が合流するまで川端で長いシュプレヒコールをくり返しました。八つ山通りを右折して大崎広小路へ向かう左手に学研スポーツ誌等の編集部があるビル、右手にコンピュータ誌編集部があるビルにそれぞれシュプレヒコールを上げる、広小路交差点を左折、さらに山手通りから左折した路地を通って、解散地の大崎公園で集約、26周年集会・デモの大成功を確認して解散した。結集は、64団体130名。解散後の交流飲み会にも39名という大結集があり、祝宴の場も盛り上がりました。
 学研編集部の入る各ビルからも働いている学研およびフリーの労働者の人々をはじめ
注目して見下ろす中、関連部署の担当役員である安田・太田・中山らの各取締役への抗議のシュプレヒコールも上げ、また、週末でにぎわう五反田で通行の人々らに争議を抱えた学研の実態とこれに抗する私たちの闘いの存在を強くアピールすることができました。ある雑誌編集部では部長が、「今日、ふじせのデモがあるが驚かないように」と社員に説明までして戦々恐々としていたようです。




学研3月決算下方修正
赤字転落免れるか微妙、復配も無しか?
 会社は3月決算につき、2月はじめにまた業績予想の下方修正を行ったようです。若干の黒字化を予想していますが、実際のところは厳しい見通しとの声が伝わっています。遠藤社長が「残り四半期で目標達成を」と号令をかけ、必死に経費削減を繰り返してなんとか利益を出そうと図ってきましたが達成は困難ということか。そうなれば、今期復配を至上命題にしてきた遠藤社長の責任も問われることになりそうです。
 中間決算段階から私たちは、この結果は必然であろうことを述べてきました。それでも、現在に至るも市販部門を中心に、3月末ぎりぎりでムックや別冊を大量に発刊し、売上増の数字合わせに躍起となっているのは、少しでも数字上の赤字計上を少なく見せようとする悪あがきでしかないでしょう。因みに来期に向けたマスタープランでは、売上766億、営業利益17億を目標にしているそうですが、これも画餅に帰することにしかならないでしょう。
 売上高が年々低下しているのに、学研の売り掛け金は異常な大きさになっていることについて、私たちふじせ労組・支援共闘会議は、株主総会でも再三追及してきていますが、1月末から2月末に会社は棚卸しに研修までつけて社員の動員を行っています。会社のねらいでもあるのでしょうが、在庫の異常な多さは、社員の中に危機意識を生むのに十分すぎるもののようです。 



2・12北九州市自分史文学賞
授賞式会場前情宣行動を展開!

 北九州市が主催し、学研が後援している自分史文学賞授賞式は、毎年小倉の地で開催されていますが、今年の第14回は東京での開催となりました。小倉での行動はもちろん、数年ごとの東京開催でも、私たちは、学研の後援に抗議し参加者に争議の実情を訴えるビラ配布を行ってきました。
 会場となった東京新宿の明治安田生命ホール前に午後1時から集まり、情宣行動を始めました。地上と西口地下広場からの入口の2カ所でビラを配布。まもなく、佐木隆三、津村節子、三浦朱門の各選考委員が来場、今年も争議は続いていることを強く訴えました。やがて参加した学研関係者の中に安田取締役があり、入場するときには大きな抗議の声を浴びせました。毎年、年配の参加者が多く(それでも今年は200人程か、年々漸減している様子)、ビラの受け取りは大変良く、私たちの訴えにも注目してくれます。「労働者の自分史を踏みにじるようなことをやっている学研がこの賞を後援していることの問題性」についての私たちの訴えは参加者に浸透していきます。ふじせ争議、子会社の悪徳セールスやボランティア用語辞典回収等の不祥事とその原因である経営体質も明らかにされ、開会の2時を前に会場前には抗議のシュプレヒコールが轟きました。
 北九州市(今年から所管は経済文化局となった様子)は、受賞作を出版してくれる都合のよい出版社としてしか考えていないようですが、安易な姿勢であり、真に「自分史」を尊重するものではなく逆にその尊厳を汚すものでしかないとして、私たちから毎年抗議の申し入れを受けています。自分史ブームは広がり、それは誰かに賞をもらうことなど求めずに、自分の生涯を振り返っての記録と検証の手だてとして定着し、北九州市のイベントもかすむようになってきています。学研は会社の自分史(社史)を省みて、数々の誤りを正して謝罪することが先決ですし、北九州市は「大手出版社」の幻想にもたれかかることをやめて、自前の文化事業の在り方を検討すべきときです。